黒服のＷＥＳＴくん 2

倉庫 ページ45

萩花side


Aちゃん。いや、Aが去った後私も店を出る。ある場所に向かうため。



私が向かったのはとある倉庫。この中にある人物を閉じ込めてる。



萩花「元気にしてた？」



小瀧「元気もクソもあるかよ。はよこっから出して」



小瀧望。私の周りをしつこく嗅ぎ回るから目障りになった。




小瀧「何でこんなことするんや？」



なんで？そんなの決まってる。


萩花「Aに裏切られた。」




小瀧「裏切り？」




萩花「私ね？お父さんがいなくていわゆる母子家庭やったの。お母さんは男あそび激しくて……家ではいつも1人。」




私はいつも公園に行って寂しさを紛らわしてた。ずっと辛かった。お母さんの男には暴力を振られたりお母さんはそれを見てるだけで助けてくれなかった。



萩花「ある日いつものように公園に行った。そしたらAがおってん。話聞いたらAも私と同じ状況らしかった」


小瀧「……」



萩花「そこで私は思ってん。辛いのは私だけじゃないんや。Aちゃんもなんや。って。」



そう思うだけでどんなことも耐えた。毎日公園で会えるから。話が出来るから。



萩花「そうやけど……あいつは…Aはある日を境に公園に来おへんくなった」




小瀧「それは……Rainbowに務め始めた頃」



萩花「そう。男の子の横を幸せそうに歩くA。その時に思った。今までしんどい思いしてたのは私だけやったんか。Aちゃんめっちゃ笑ってる。幸せそうやんって」




小瀧「その時横を歩いてたのは…神ちゃん……」




萩花「そう。だから最初に神山を狙った。」



小瀧「それだけで……」




萩花「それだけで？！アンタにとってはそれだけのことやったって言えるやろーけど、私にとっては心の支えが消えたんやで？」



小瀧「それは……」




萩花「それから何回かAのことを見かけた。なんで幸せになってるの？ってさ。」



私が不幸でAが幸せなのは許されへん。一緒に頑張ろうって公園で約束したのに。



萩花「だからAが……幸せになろうとしてるなら……壊すしかないやろ？まずはAの務めるRainbowの黒服から。」

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