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第七話 ページ8







あぁ…とても気まずい…





宇髄が座っていた場所に煉獄が腰を下ろしている。





嬉しい、嬉しいんだ。嬉しいが…





煉獄がさっきから何も話さない





『本当に用がないんだな…』





杏「ない!」





『そうか…』





こんなに堂々と返事をされては頷くしかない。





杏「怪我はしてないか?」





『え?』





杏「今日の任務だ」





『あ、あぁ…していない。あんな雑魚如きにやられては柱の名が廃るからな』





杏「そうか!なら良かった」





『…一緒に飲むか?』





どうにかこの場の空気を変えたくて、宇髄が手土産として置いていった酒瓶を手に取る。





杏「そうだな、久しぶりに飲もう」





猪口を二個用意し、煉獄の分から注ぐ。





薄い桃色の酒だ。良い香りがする。





杏「相変わらず所作が綺麗だ」





『っ…そ、そんなに見るな…』





煉獄の視線を浴びながら注ぎ終わる。





煉獄に猪口を渡し、乾杯する。





杏「うまい!」





『あぁ。私好みの味だ。宇髄が気を使ってくれたんだろうな』





猪口に残る酒を見つめながらそう呟いた。





私は強い酒があまり得意ではない。





これくらい軽く飲めるような酒が一番楽しめる。





杏「む…宇髄か」





『…ん?どうかしたか?』





また黙り込んでしまった煉獄の顔を見ると、





『ぁ…』





月明かりに照らされ、それがとても綺麗で、息を飲んだ。





杏「麻友は宇髄と随分仲が良いんだな」





『え?う、うぅん…仲が良いのだろうか。深くは考えたことがないんだ。』





杏「俺には、とても仲が良く見える。…嫉妬をしてしまうくらいに」





『っえ…?』





煉獄の瞳から目が離せない。





まるで、蛇に睨まれた蛙のように身体が全く動かなくなってしまった。





杏「お前が他の男と仲良くしているのは…気に入らんな」





『は…ぅ……そ、それは何故…?』





今なら煉獄の気持ちが聞ける気がして、そう問うてみた。が、





杏「はは!何故だろうな」





煉獄はいつものように笑って誤魔化した。





期待するだけ無駄なことは分かっている。





それに、あまり私と関わってはいけない。





また雨が降れば…誰かが死ぬ。





仲間を失うのも苦しいが、思い慕う煉獄を失うのは…想像もしたくない。





杏「そろそろお暇しよう。突然押し掛けてすまなかったな!」





『あぁ…気をつけて帰れ』





私の言葉に大きく頷くと、煉獄は自分の屋敷へと帰って行った。

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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時

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