第三十七話 ページ39
*
『悪いな冨岡。』
義「気にするな。」
他の柱たちは任務に向かっており、暇なのが冨岡しかいなかった。
店を見て回るのも良いが、それだと喜怒川に遭遇しそうだったので冨岡の屋敷に。
「『…』」
そもそも私も冨岡もお互いに話題を振るような性格をしておらず、このような状況になってしまう。
邪魔をしている身だ、何かしら話題を…
かと言って、冨岡に話すようなこともない。
冨岡の反応はたかが知れてる。
さて、どうしたものか…
義「…何か、あったのか」
『…!え?』
初めて冨岡から話題を振られた気がする。
冨岡も一応話す気はあるのか…
義「俺の元に来る時は、大体何かあった時だろう。いつもは煉獄や不死川と居る。」
俺は嫌われていない。と聞こえた気がしたがそれは聞かなかったことにしておこう。
しかし…冨岡は話さない分よく周りを見ている。
そう言われれば確かになにかあった時だけ、冨岡を頼っている気がする。
冨岡だけに限ったことではないがな。
『…少々面倒な事が起こっているだけだ。煉獄が…任務から戻って…こないから…冨岡しか、頼れる相手がいない。』
冨「…そうか。」
どこか嬉しそうだ。
冨岡がこれで満足するなら良かった。
冨「…何者。」
『…ッ…!』
突然冨岡が私を背に隠し、刀に手をかける。
静かにただジッと門の外を睨んでいる。
義「…逃げたか。突然すまなかった。…麻友?」
『…ッ…は、はは…ッ…ここまで、とは…』
喜怒川だ。追ってくるなと指示を出したのに、私と冨岡の後をつけていたのか。
義「…大丈夫か?」
『あ、あぁ…大丈夫、だ…』
しかし、証拠がない。
あいつが上手い具合に尻尾を出さないから、問いただすにも問いただせない。
…このままここにいては冨岡にまで迷惑をかけるかもしれない。
でも、
『…冨岡』
義「…?」
『もし、雨小宵が3回鳴いた時は…』
義「鳴いたら、なんだ」
『……いや、なんでもない。今日はここで失礼する。』
冨岡を巻き込んではいけない。
私の問題だ、自分で解決しなければ
義「待て。」
『…!』
義「何を言いかけたのかは分からないが、もし雨小宵が3回鳴いたらお前の元へ行く。」
私は頷くことも出来ず、気づいた時には冨岡の屋敷を飛び出していた。
煉獄、いつ帰ってくるんだ…
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時