第三十四話 ページ36
*
杏「喜怒川少年のことをどう思う。」
『…正直、怪しいと思っている。』
杏「うむ。俺も同感だ。彼とは面識があるのか?」
『いや…見覚えはない。ないが、鬼殺隊の隊服を着ているところ…隊士では間違いない。』
杏「むむ…どうも引っかかる。」
『今朝突然現れたんだ。』
そもそもこんな早朝に柱の屋敷の門を叩くような人間は初めて見た。
なめられているのだろうか。
杏「彼がいるこの一週間、麻友を一人にしておくのは少々不安だな。」
『女とは言えど一応私も柱だ。なめてもらっては困る。』
杏「それは鬼にしか通用しない。こうやって…」
『っ…!』
煉獄が私の手首を掴み、「解いてみろ」と。
力を入れて振りほどこうとしたが、ビクともしない。
煉獄の顔を見ても、そこまで力んでいる様子もない。
杏「麻友の言いたいことも分かる。だが、結局男女には力の差が生じてしまう。」
『…そうだな。』
杏「彼は名前しか分からないような男だ。何をするか分からない。俺としては極力二人きりにはしたくない。」
『……』
杏「嫉妬だけじゃない。君に何かあってからでは遅いんだ。」
俺は麻友を守りたい。
そう言いながら私を抱きしめた。
『…っ…///わ、かった、…』
守られる、というのは癪だが…煉獄に言われるのはそこまで嫌じゃないな。
安心する。
杏「…さて、麻友。今から言うことをよく聞いてくれ」
『…?』
杏「喜怒川少年がこちらの様子を伺っている。会話を聞かれていたのかまでは分からないが、あくまでも何事も無かったかのように接するんだ。生憎、この後任務が入ってしまっている。本当は君のそばにいてやりたいが出来そうにない。不死川達に頼むのも良いが、怪しまれては困る。だから、竈門少年に声をかけておく。何かあったらすぐに雨小宵で知らせてくれ。飛んでくるから。いいな?」
『…!!あぁ…』
煉獄の言葉に頷き、私たちは身体を離した。
杏「では、俺は任務に行ってくる!!」
そう言い残し、煉獄は相変わらずの速さで私の元から姿を消した。
…気配に気づかなかった。
こんなこと初めてだ。
思わず日輪刀に触れる。
最悪…これで太刀打ち出来る。
颯「雨柱様」
『…っ!』
颯「どうか…されました?」
何も知らない、そう言うかのように微笑む喜怒川に…私は身体を強ばらせた___。
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時