第二話 ページ3
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次の日、志雨の薬を貰いに蝶屋敷を訪れていた。
胡蝶は、姉上の胡蝶カナエが存命だった頃から知っている。
まさか、この子が柱になるとは思ってもいなかったが…
『胡蝶はいるか?』
蝶屋敷へ入れば、可愛らしい子たちが忙しなく働いている。
申し訳ないと思ったが、そのうちの一人を引き止め胡蝶の元へと案内してもらった。
し「あらぁ、麻友さんお久しぶりですねぇ」
昔の胡蝶からは有り得ないほどの淑やかな笑顔。
時は残酷だな。
『久しいな。志雨の薬を貰いに来た。頼めるか?』
し「ふふっ。そろそろだと思っていましたから、勿論出来ていますよ」
席を立ち、戸棚の中から薬袋を取り出した。
『流石胡蝶だ。ありがとう』
その袋を受け取り、頭を下げた。
し「良いんですよ。でももう少し愛想良くしたらどうですか?昔はもっと笑っていた印象があります」
『それは胡蝶もだろう。昔に比べて恐ろしい程に顔が穏やかになっている。まるで仮面だ。』
お互いに顔を見合わせてクスリと笑いあった。
『では、私はこれで__まずいな。』
し「何かありましたか?」
そう私が部屋から出ようとした時、少々厄介な奴の気配が近づいてくることに気がついた。
し「?「胡蝶!!」ふふっ、あぁ…」
それが誰だか気づいた胡蝶はニヤニヤと私を見る。
やめてくれ、冷やかされるのは慣れていないんだ。
?「胡蝶!!少々怪我をしてしまった!手当をお願いできるだろうか!」
し「はいはい。しますからお静かに。他にも人がいるんですよ煉獄さん」
杏「すまん!!」
今のうちに…
『胡蝶、邪魔したな。』
では、と二人に背を向け歩き出すと、ズシッと肩に重さが加わり、物凄い力で後方へ引かれた。
『な、何をするんだ、煉獄!!』
杏「そんな急がなくてもいいだろう!折角だから一緒に帰ろう!」
『か、勘弁してくれ…私は一人で良い、離せ』
肩を掴む煉獄の手を剥がそうと力を込めるが、ビクともしない。
なんならそれに対抗するように更に力を込められている気がする。
『力を入れてどうする!!離せと言ったら離せ!!』
し「ふふふっ、はい。手当終わりましたよ。お二人で甘味処でも行ってはどうですか?」
胡蝶!?
杏「そうだな!よし!麻友行くぞ!」
『なっ!?ちょっ、こ、胡蝶ぉおおおお!!!!』
私は煉獄に引き摺られるように蝶屋敷を後にした。
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時