第十六話 ページ17
*
煉獄は浮かしていた腰を下ろし、私の手を握ってくれた。
杏「何があったのか、話せるか?」
『……昨日は、普通の任務のはずだったんだ、』
でも朝から雨が降り続いていて、胸騒ぎはしていた。
何かが起こると、何となく予想はしていたのに。
志雨が胡蝶に紹介された病院へ行くと言うから、一人で行かせまいと任務がてら護衛をしていた。
歩いていると、辺りが有り得ないほど静かでおかしいと思った。
そう思った瞬間、前方から青白い光が見えて…上弦の参が現れた。
『…た、おそうと…したんだ…っ…父上や、仲間の仇を取ろうと……っ…でも、私じゃ、無理だった、…っ…』
悔しくて苦しくて、涙が溢れ出す。
父上に泣くなと言われたのにな。
煉獄はそんな私の話を黙って聞いていてくれた。
煉獄の手は…暖かいなぁ…
『…私が不甲斐ないばかりに、隊士を失っただけでなく……志雨、も…まも、れなかっ……はッ…グスッ…っ』
遂にはしゃくり上げて泣き出す私。
何が柱だ。
何が姉上だ。
何が雨辻だ。
何も守れていないくせに、何も、成せてないくせに…!!
杏「そんなに強く唇を噛んではいけないぞ。血が出てしまう。」
『れ、んごっ…んッ…っ!?』
私の唇を指でなぞられ、口を開けた私に迫ってくる煉獄の顔。
私の顔の横に両手をつくと、私の唇に自分のを重ねた。
時が止まる。
何故、私は煉獄と接吻をしているのか。
いや、私からはしていない。
そう言えば、私の意識が途絶える前…煉獄はなんと言っていたっけ。
杏「俺もだ…俺も、俺もお前を…ずっと…!!好きだ、愛している!!だから死ぬなッ!!!」
『……!?』
いや、記憶違いだろう。
あの時は生と死の瀬戸際だったんだ。
自分の都合の良いように考えてしまったのかもしれない。
杏「…麻友?」
『っ!な、なんだ…っ?』
杏「はは!顔が赤いぞ!」
『う、うるさい……っ』
杏「やはり愛いな!!」
『っっ……!!』
だめだ、これ以上煉獄といたら本当に死んでしまう!!
『こ、胡蝶を呼んできてくれ…』
杏「うむ!そうだな!少し待っていろ!!」
相変わらず早いな…
これはある意味生き地獄だ…
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時