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第十四話 ページ15

*煉獄杏寿郎side





麻友の鎹鴉から連絡を受け、自分の出る限りの速さで向かったが、俺が着いた頃にはもう全滅していた。





杏「雨小宵!!麻友の元へ案内を頼む!!」





俺の言葉に雨小宵が動き出す。





それを追って辿り着いた先には、真っ赤に染った麻友と、その腕の中に麻友の弟、志雨がいた。





身体の震えが止まらない。





今まで散々鬼と対峙してきたにも関わらず、こんなこと初めてだ。





杏「ッ麻友ッッ!!!!!!」





気づいたら俺は麻友の元へ走り出し、倒れる麻友の身体を抱き起こしていた。





俺の声に、閉ざされていた麻友の瞼がゆっくりと開く





『れ………ごく…ッ…』





やめてくれ、そんな消えそうな声で呼ぶな





杏「ッ死ぬなッッ!!!今すぐに救護班がくるッ!!!麻友ッ!!!」





『ッ……う、…るさいッ………私は、良い…からッ…志雨、をッッ……志雨を先にッ……』





何を言っているんだ、お前の方が瀕死ではないか!!





しかし、麻友の腕の中でぐったりとした志雨を見ると、そうは言えなかった。






この子が死んだら麻友はどん底へ堕ちていってしまうのではないかと、そう思った。






杏「分かった、分かったから呼吸をしろッ!!お前はまだ生きなければならないだろう!!!」





そうこうしている間にどんどん呼吸が浅くなっていく





だめだ、許さない。勝手に逝くなど絶対に許さない。





『れッ……んごくッ……』





杏「ッ…もう話すなッ……」





『き、けッ……煉獄杏寿郎ッ…!!!』





杏「……!!」





俺の羽織を掴み、麻友は叫ぶ。





『ッ好きだ…ッ……』





杏「……は……」





『ずっ…と昔からッ……慕って……ッ…いたッ…』





よもや…麻友”も”慕っていてくれたというのか





杏「俺もだ…俺も、俺もお前を…ずっと…!!好きだ、愛している!!だから死ぬなッ!!!」





『……!な、んだ…ッ…ははッ……通じて、ッ…いたのか……』





綺麗な瞳から一筋二筋と涙が零れ落ちていく。





あぁ、なんて綺麗なんだろう。こんな時でもそう思ってしまう程だ。





優しくその涙を拭ってやると、麻友は





『か、て……なかった……す…まな………』





勝てなかったと、すまなかったと。





そう言い残して、意識をやってしまった。





杏「麻友ッッ!!!!!!」






丁度良く到着した救護班と共に、俺は急いで蝶屋敷へと向かった。

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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時

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