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やっぱり私はまた消えてしまったようで、自分からみた窓にも写ってはいなかった。
轟焦凍と話せる時間は少ないらしい。
頑張ってまた見ようとしていた轟焦凍も、諦めたようで布団を顔まで被って眠ってしまったようで。
ふっ、と笑って轟焦凍を見ながら、私は外に出た。
こんなにも珍しく私が見える人がいるのだ。
こんなに嬉しいことはない。
ないはずの心臓が、とくん、と鳴る。
生きてもいないのに、生きている気分になってしまった今日この頃。
*
私が戻ってきたのは日が昇り始めた頃だった。
窓から轟焦凍が見える。
外から見た轟焦凍は、やっぱり外を見ていた。
憂いを帯びた表情で、すっと右手を動かして左にある火傷後を触っていた。子供の頃、母親につけられた火傷。詳しくは知らないが、そう名簿に書いてある。人生名簿。
暫く見てれば、轟冬美が来たようでドアの方を向いていた。エンデヴァーは来ていない。そして変えられる顔。作ったような顔は、私から見ても気持ちのいいものではなかった。
耳をすませば聞こえてくる2人の会話。
これが家族というものだろうか。
｢はいこれ。足は、平気？｣
｢……あぁ。大丈夫｣
少しの着替えと、食べたいとお願いしたもの。
彼の入院期間は短いものではないが、彼がこの期間をどうやって過ごすのだろう。そう、好奇心を持ってしまった。
彼はもうすぐ死んでしまうというのに。
｢…そんなこと、｣
今の私にはどうでもいいのだ。
昨日の出来事で舞い上がってしまっている私には、彼が死ぬ、そんな現実を見ずに、彼をもっと知りたいと思ってしまった。
少しの時間しか私が見えない彼。
私が何者か知らない彼。
ずっと、轟焦凍を見ている私。
轟焦凍が生まれてからの人生を知っている私。
全く反対の私たちは、多分まだ未来のことなど見てはいないだろう。
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にゃん(プロフ) - だんごさん» 閲覧ありがとうございました！そう言ってもらえると書いたかいがあります！！自分でも納得のいく最後がかけてよかったと思います！新作は考えております！良ければ次もよろしくお願いします！閲覧ありがとうございました！ (2018年2月8日 20時) (
レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - 大好きでずっと読んでいたて、凄く切なくて美しいオチでうるうるきてしまいました。にゃんさんの言葉の回し、文など読みやすくて好きです…！もし新作を書くのでしたら、次のも楽しみにしています！本当に完結おめでとうございます！(´｡･v･｡｀) (2018年2月8日 16時) (レス) id: f79547a215 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！ゆっくりと急展開もなく進んでいるこの小説ですが、よければ最後までお楽しみください！頑張ります！ (2017年12月11日 6時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - スッゴいいいです！頑張ってください (2017年12月10日 4時) (レス) id: 6c7b80997e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ネネさん» ありがとう〜！！泣けるかわからないけど頑張ります！！！！これからもよろしく！！ (2017年10月19日 19時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年10月13日 20時
