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*
何かを、覚えていた。
薄暗い病室の明かりに照らされた黒い何かが、何かを言っている。何を言っているのかはわからなかったが、なぜか脳裏にこびりついて離れない。
気がついた時には、ベッドの上だった。
両足に浮遊感が襲って、見てみれば真っ白な包帯に包まれて宙に浮いている。
妙にがやがやと騒がしい周りには、かつての友人、一緒に戦ってきた緑谷、そして家族がいた。
俺の名前を呼びながら、涙を流し、安心したような顔が見える。
医者が、俺の体を診て、明日診断結果がしらされる。
たしか俺は、崩れるビルの下にいた子供を助けようとして……そういえば。
｢そういえば、俺が助けようとしたあの子供は？｣
｢うん。無事だよ。轟くんが助けてくれたおかげで、軽傷で済んだみたい｣
｢そうか…よかった｣
ふと、視界の端で何かが動いた。
目をやるも、何もなくて気のせいにしたが、個室で麗日が、何かに反応した。
ただそれも、気のせいにしたようで、まだ何かはわからない。
友人達は帰宅し、病室には家族だけになる。まだ、何かがいる気配は消えないのだが、姉さんと話していると気にならなくなった。携帯、明日持ってくるらしい。
親父はただただ黙って俺を見ているだけだった。やっぱり理解ができないやつだ。
食べたいもの、そばと答えたかったが流石に無理かと諦め、簡単に食べられるカロリーメイトを頼んだ。
そして姉さんたちが帰り、一人になる。
それからはずっと、窓の外を見ていた。
*
朝が来るのは遅かった気がする。
ガラリと病室のドアが開き、姉さんと親父が来た。
｢携帯、結構早く取れたから持ってきたよ｣
｢ありがとう｣
何もデータの入っていない携帯を貰い、あとでいろいろと入れようと机の上に置いた。
親父に支えられ、車椅子に乗って診断室に行く。
……手が湿っている。
診察室前、どこからが悲しげな泣き声が聞こえてくる。
病院だから、そういうこともあるのだろうと片付けた。
ドアをあければ、深刻そうな顔をした医者が、いた。
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にゃん(プロフ) - だんごさん» 閲覧ありがとうございました！そう言ってもらえると書いたかいがあります！！自分でも納得のいく最後がかけてよかったと思います！新作は考えております！良ければ次もよろしくお願いします！閲覧ありがとうございました！ (2018年2月8日 20時) (
レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - 大好きでずっと読んでいたて、凄く切なくて美しいオチでうるうるきてしまいました。にゃんさんの言葉の回し、文など読みやすくて好きです…！もし新作を書くのでしたら、次のも楽しみにしています！本当に完結おめでとうございます！(´｡･v･｡｀) (2018年2月8日 16時) (レス) id: f79547a215 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！ゆっくりと急展開もなく進んでいるこの小説ですが、よければ最後までお楽しみください！頑張ります！ (2017年12月11日 6時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - スッゴいいいです！頑張ってください (2017年12月10日 4時) (レス) id: 6c7b80997e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ネネさん» ありがとう〜！！泣けるかわからないけど頑張ります！！！！これからもよろしく！！ (2017年10月19日 19時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年10月13日 20時
