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第7話 ページ7
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Takuto side
「ふぁ〜⋯」
止むことを知らないんじゃないかってくらい
“ザーザー”と降る雨の音に俺のアクビが響く
まるで俺はこの世界にいるよと
世界中の人に訴えかけるように
まだ起きていない体を無理矢理動かし
“雨のせい”で憂鬱になりながら外に出る
この匂いもこの雰囲気もこの音も
雨の全部が大嫌い
そんな事を心に留めながら
重い足取りで歩いていると
この天気に合わない格好をしたAがいた
衝動で体が起きて 気づいたら
「ちょっと！」と右腕を引っ張っていた
君は呑気に「おはよう」なんて言ってきて
俺は驚きと戸惑いを隠せないまま
「何してんの？」
と問う。
「雨⋯雨が好きなの」
俺には雨が好きなのは理解出来ないけど
こんな土砂降りの中傘も持たずに歩くと言う事は
相当好きなんだなって少し雨に嫉妬した
でもその反面少し面白くて
「雨のためにそこまで出来るってすごいな(笑)でも風邪引くから入って」
風邪引くからなんてただの口実
相合傘をしたいだけなんだ
下心丸出しの自分に 自分で呆れていた。
でも
こんなに楽しい雨はない
君が隣にいるだけで少しだけ
雨の楽しみ方を知ったよ
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作者名：いっけー | 作成日時：2016年8月19日 18時
