第6話 ページ6
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Your side
それからバス停に着くまで
タクトの質問攻めになったわけで
「今日はヘッドホンないの?」
「彼氏いたことある?」
「好きな人いないの?」
「俺のことタクトでいいよ!」
全部くだらない質問で でも何か楽しくて
プラチナさんも悪い人達じゃなさそうだなって
ちょっと興味湧いたかもって思った
「もー何かないの?(笑)単語でしか返ってこない(笑)」
全部の質問に「うん」か「いや」と
答える私を見てタクトはそう言った
「タクトと話したらプラチナさんも悪い人達じゃなさそうって思ったよ」
私は今思っている事を全部言った
君ならタクトなら理解してくれるって
案の定 タクトは口角を上げ歯を出して
八重歯を輝かせながら
「そうだろ?」なんて言ってきた
どこからその自信は沸いてくるの?
「皆の事好きだね(笑)」
「俺、プラチナ全員の事は信じてるんだ」
“信じる”
私には出来ない事
信頼を築くには嘘をつかない事が大切
でも私には嘘は通用しないから
そんなタクトが正直羨ましいなって思った
「でも嘘つかれてたら?」
「その時はその時だろ」
予想外の回答が返ってきた
「それで自分が本当に嫌な思いしたなら自分は失敗したんだって、それを次に活かそうって思うし、まだ一緒にいたいなら一緒にいればいい話じゃん?」
タクトの言葉には嘘はなくて
心の底から言っていた
タクトは馬鹿だし詐欺に引っかかりそうだし
単純だけど
純粋で優しくて馬鹿正直な人なんだな
もう雨に濡れている事すら忘れて
2人の世界に入り込みすぎて相合傘してたのに
今気づいたくらいタクトの話は
人を引き寄せる何かがあったんだ
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作者名:いっけー | 作成日時:2016年8月19日 18時