plus one 【警察学校時代】

求めるものは ページ35

降谷「……で？

午後の講義をサボってAを迎えにいったと」






降谷の前に四人 萩原、松田、景光、伊達はちょこんと正座をさせられていた






降谷「ﾊｧ…… ヒロ、伊達

お前らも今回は共犯か」




景光「だってよ、ゼロ Aが心配で…」



伊達「その…… スマン！」





しょぼんとする二人に降谷は大きくため息をつくと、そのまま視線を横にずらした






降谷「全く…… 松田に頼まれた時点で気付くべきだったよ」





その視線の先には面白くなさそうに頬杖をつく松田と、グッタリと机に突っ伏した萩原がいる





A「ま、まあまあ 降谷……」




降谷「Aも

というか、元はと言えばAの不始末かわ原因だからな」




A「ｸﾞ…… ご、ごめんなさぃ」







しょぼんと頭を垂れるA



降谷は一通り叱ると、お次は困ったように目線を隣の机にずらした






降谷「で、これは？」





萩原「Aに何か欲しいのあるかって聞いたらチョコレートって言ってよ

ただ、
電波が悪くて何のチョコかが聞き取りにくくて…」




景光「『ゴ』 なんとか って聞こえたみたいだからさ」




伊達「こうなったら、誰がAの欲しいものを渡せるかってなったんだよな！」





降谷「どうして、こう すぐに勝負に発展するんだ…


それで……？」






景光「あ、それ俺

『ココア』 だと思って
ココア味のチョコレート買ってきたんだ」




降谷「これは？」





伊達「俺だ

『コアラ』だと思ってな」





降谷「…で」




萩原「オレ〜

絶対に『ゴジラ』だと思ったんだよなぁ
ったく、走り回って探したのによぉ……」





降谷「で、一応聞くが
これは俺が作った物だな、松田？」





松田「…… 『ゴリラのチョコレート』だと思ったんだよ

Aは見た目より味だと思ったから、きっとゴリラってのは降谷(ゴリラ)の手作りって意味だと……

ﾁｮ、待て! 無言で近付いて来んな!!」







松田を黙らせ(・・・)ると、降谷は最後にAに視線を向けた









降谷「で？


本当は何をお願いしたんだ？」





A「ご、『ゴデ●バ』のチョコ……」







申し訳なさそうに小声で答えるAに降谷はこの日一番の大きなため息をついた








降谷「お前…… 今回のことで懲りただろ？




また、虫歯で苦しんでも知らないぞ」







降谷の言葉に四人はポカン見つめると
Aは逃げるように背を向けるのだった…

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