THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ45
試合終了まであと少ししかない。Aは焦りを隠せない表情でタイマーを見る。刻々とその時間は迫ってきている。
湘北と山王の試合は観るているこちら側も緊張するほどの試合だった。後半始まってすぐの１６点差、そこから負けじと追い上げていく湘北が点差を詰めるものの沢北によってまた試合は振り出しへと戻っていく。振り出しに戻るどころか、点差は２０点以上と大きく開いていた。
じわり…と握られた手に手汗が滲む。
負けないで、負けないで…リョータ。その一心でコートを眺めているA
試合残り、２分足らず。点差は湘北が死に物狂いで詰め寄ったので７点差。諦めるにはまだ早い数字だ。
まだいける。
なのに山王はリョータに対してまたゾーンプレスを仕掛けてきた。山王は最後まで綺麗に逃げる気は更々ないようだ。
リョータの動きにはキレがない。積み重なっていく体力の疲労や、精神的な疲れがリョータを限界へと追い詰めていた。
山王を前に、リョータが息詰まる。
負けるな、諦めるな。最後まで喰らいついていけ。
行け、行け、行けっ…！！！
『行けっ、リョータ！！』
気付いたときにはAは思わず立ち上がってそう叫んでいた。
その声は、コートの中にいるリョータにもしっかりと届いていた。ただ、純粋な気持ちで叫んだであろうAの声。
リョータ、とあんなに力強く、迷うことなく言い切ったAの声を聞くのは何時ぶりだろうか。
その一声が、恐怖で埋め尽くされていた自分を奮い立たせた。
こんなにデカいのに阻まれてどーする
リョータは鬼気迫る表情で相手が阻んでいるその先を見た。
ドリブルこそチビの生きる道なんだよ！！！
その、覚悟のようなリョータの気迫に沢北は一瞬だけ動きが鈍った。リョータはその隙きを見逃さない。低いドリブルで今度こそ綺麗にゾーンを突破していった。
どこかのタイムアウトで安西先生に言われた言葉を思い出す。
そうだ、ここは俺の舞台なんだ。
キツくても、心臓バクバクでも、めいっぱい平気な振りをする。
たとえ逆転が不可能に近いような事だったとしても、諦めるつもりはなかった。
日本中のガードが心を折られたという深津を前にしてもリョータは一歩も怯む事無く挑んでいく。
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
