THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ36
湘北と海南が負けじと攻防を続けること４０分間
試合の終わりを告げるブザーが鳴り響いた。
Aはスコアボードをチラリと見る。勝ったのか、と心の中で思った。試合の結果は僅差で海南の勝利となり、１７年連続ＩＨ出場となった。
試合に勝てた、仲間が喜ぶ姿にAも少しホッとする。
「Aさんも！！うぇーい！！」
『わっ…！！』
突如清田がAの方へ向きハイタッチをしようとしてくる。慌ててAが両手を挙げると清田は勢いよく手を当ててきた。馬鹿力なのかめちゃくちゃ痛かった。
『っ…！！！』
「あ！！すんません！！つい…！！」
『いや、別に…大丈夫。清田もお疲れ様。』
ジンジンとする手を少し顔を歪めながらもAは部員達に労いの言葉を掛けていく。なんやかんや言いながらもちゃんと”マネージャー”をやってるんだなと牧はそれを遠目で見ながら思っていた。
その後ろでは負けた湘北メンバーが悔しそうな顔をしながらコートを去って行っていた。それをちょっと見ていたAはふと、リョータと目があった。そらすことなく、こちらを見つめている。リョータは口パクで何かを伝えていた。
『あとではなしがしたい』 『まってて』
『…私には話したいことなんて何もないよ。』
一人呟いた言葉は誰の耳にも届くことなく、まだ熱の残るコートの中に消えていった。
試合が終わり、観客も帰って行く中選手達はクールダウンや着替えをしていく。その時間にリョータがやって来た。
湘北は海南に負けているという事実が更にAの頭を悩ませる。なんて声をかけようかと迷っていると先にリョータが口を開いた。
「…久しぶりだな。」
そう言ってリョータは笑った。その顔もまたソータによく似ている。
『ひ、久しぶり…リョータ。』
自分の顔が引き攣らないようにと頑張ってAは笑顔を作る。歪になっていないだろうかと少し心配にはなった。
「まさかこんなところで再会するなんてな…しかも海南って」
『私も驚いたよ。リョータが神奈川に居たなんてね。』
義心地なく会話を繋いでいく私に気付いているのか気付いてないのかリョータは話を続けていく。
「俺、またAに会えてすっげぇ嬉しい。」
ニカッとリョータが笑った。その笑顔はソータそのもので私は掛ける言葉を失った。
そして、私はあることに気づく。
今、私は宮城”リョータ”と話しているはずなのに、ずっと宮城”ソータ”の事を考えていた。
作者より(追記あり)→←THE FIRST SLAM DUNK 宮城編��
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
