↑の続き____風見視点 ページ33
.
Aさんを家まで送り届けた後、暫く近辺を見張り、不審者がいないことを確認する。
今のところ、問題はなさそうだ。そう思いながら近くにあるファミレスに行き、時間を潰した。そして、ストーカーが現れるという時間に彼女のアパートの近くまで戻る。
すると、見たことのない男がいた。
その男はさも当然のように、彼女の玄関を開けて部屋に入っていく。
許せなかった。
Aさんはお前のような男のせいで、苦しんでいるというのに。ぎり、と奥歯を噛み締める。
俺はすぐに男を追いかけ、玄関の扉を開こうとした。もちろん、鍵を持っていない自分は入ることができない。
仕方ない、とピッキングをして鍵をこじ開ける。やがて、がちゃり、と鍵の回る音がした。勢いよく扉を開け、少しでも早く彼女を救うために走る。
走った先には、Aさんと男の姿。
俺の目にはそれ以外のものは映らない。どす黒い感情が湧き上がる。
なぜお前のような男がそこにいる。Aさんを守るのは俺だ。彼女を悲しませる人物は、誰であろうと許さない。
感情のままに男を殴る。すると、男はあっさり床に倒れ込んだ。
Aさんが震えている。
ああ、可哀想に。こんなに怯えて。でももう大丈夫です。俺が守りますから。
そっと彼女を抱きしめる。彼女はいやっ！と叫び、腕の中で暴れ出した。
この男のせいで怖がっているんですよね。安心してください。今は俺が側にいます。
……Aさん？ 泣いているんですか？
よほど怖かったんですね。よければ俺のハンカチを使ってください。どうしてそんなに逃げるんです。俺はただ、貴女を守ろうと____え？ 恋人？ ……この男が、ですか？
はは、冗談はよしてください、Aさん。貴女の恋人は俺でしょう？ だからストーカーから貴女を守ろうと、こうして駆けつけたんじゃないですか。
「Aに触るな……っ」
声に目を向けると、男は腹部を抑えて俺の足首を掴んでいた。Aに触るな、だと？ 誰の許可を得て、彼女の名前を呼んでいるんだ。
首の後ろを殴れば、また倒れ込んだ。今度は気絶したようで、倒れたその体は動かない。
さあ、今度こそ大丈夫ですよAさん。
ああ、すみません。つい名前で呼んでしまいました。関係を悟られないよう苗字で呼んでいましたが、ストーカーも捕まえましたし、もういいですよね。
これで俺たちを邪魔する者はいなくなりました。また何かあれば、いつでも呼んでくださいね。俺はいつも、貴女の側にいますから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです！こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました！ (2020年4月9日 11時) (
レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました！何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした！ (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました！またの機会があれば是非よろしくお願いします！ (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ！！！ありがとうございました！また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シオン | 作成日時：2019年4月25日 23時
