推しだけが愛してくれたら。【ワンピース シュライヤ】____ムムチー様リクエスト ページ27
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ここには、私の味方なんて誰一人いない。そう思い込んでいた時、私の目の前に現れたのは彼____シュライヤさんだった。
それからは、衣食住すべて含めて、私の世話を焼いてくれている。
「どうして初対面の私に、こんなに尽くしてくれるんですか?」
思わずそう尋ねると、当たり前だろ、と言わんばかりに彼は答えた。
「お前が好きだからだよ」
この世界に来て、半ば疑心暗鬼になっていた私は、その言葉を素直に受け入れることができなかった。シュライヤさんには何か企みがあるんだろう、とまで思っていたから。
「何だその顔……俺の言葉が信じられない、みたいな顔だな」
「……はいそうですかって信じる方が変だと思いますけど」
「じゃあ、どうしたらお前は信じるんだ? キスの一つでもすればいいのか?」
そう言って、ぐっと顔を近づけられる。私の頰が熱を帯びていく。私は恥ずかしさから、思わず顔を逸らした。
「キ、キスはしなくていいですけど……! ……私のどこが好きなんですか?」
「全部だ」
そういうことじゃなくて、と言おうとすると、彼は私を真っ直ぐに見つめて、真剣な顔で答えた。
「俺が近づくとすぐ真っ赤になるその顔も、髪を耳にかけるその仕草も、自分をひけらかさない謙虚な所も、全部好きだ。俺には、お前が全部可愛く見える」
また頰が熱くなって顔を逸らそうとすると、今度はそれをやんわり止められた。
「俺は真剣なんだ、A」
「わ、わかりましたからっ! だから、その、離してください……!」
「それは無理だな」
不意に引っ張られる。引き寄せられて、シュライヤさんの胸の辺りに私の頰が当たった。背中に腕を回され、強く抱き締められる。
心臓の鼓動が、やけにはっきり聞こえた。
「……いつ失うかわからねェんだ。俺がいくらお前を守りたくても、それが叶わない時だってある」
私の耳元で囁かれたそれは、シュライヤさんのものとは思えないほど、弱々しかった。
そうだ。この世界は、平和な世界とは程遠い。私も彼も、いつどこで死ぬかなんて、誰にもわからないのだ。それに、彼は妹を____。
そこまで考えて、かき消すように首をゆっくりと振った。そして、私も彼の背中に腕を回す。
「私も、もう少しこのままでいたいです」
私の言葉に、シュライヤさんは嬉しそうに笑って、抱きしめる力を少しだけ強くした。
あの子がいない“二人だけの世界”は、こんなにも心地いい。
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シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時