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「____A!」
名前を呼ばれ、振り返る。
「何ですか? ナミさん」
「あのねェ、その敬語とさん付けいい加減やめなさいよ。よそよそしいじゃない」
あのとき____ルフィさんが仲間に誘ってくれたとき、もちろん彼女を含めた船員は反対した。それでも今、私は彼らの仲間としてここにいて、それを認めてもらえている。
私がトリップしたのはどうやらグランドラインに入ってすぐだったらしく、これから仲間になるチョッパーくん達はいないため、もちろんロビンの姿もなかった。
……でも、もうすぐロビンに会えるはずだ。船に乗っているミスウェンズデー____もといビビさんを見て、そう思った。
「って、今はそんなことどうでもいいわ。あんたにも事情を____」
「船を岩場にぶつけないように気をつけなきゃね。あー追手から逃げられてよかった」
ナミさんが説明しようとすると、その言葉を誰かが遮った。声の方へ振り向くと、そこには忘れもしない彼女____ロビンの姿。
でも、彼女は私に気づかずにそのまま話を続けていく。そして、ロビンは
「この船の進路をお前が決めるなよ!」
「……そう、残念」
そう言って船から降りようとしたロビンが、ようやく私に気が付く。目が見開れ、小さく「どうして貴女が」と聞こえた。覚えていてくれたんだ! 嬉しくて、思わず頰が緩む。
でも、声を掛けようとする前に彼女はそのまま船を降りて、下で待ち構えていた大きなカメに乗って行ってしまった。
「A、知り合いだったのか?」
他の皆がナミさんの説明に耳を傾けている中、ルフィさんがじっと顔を覗き込んでくる。
「……うん。大切な友達なの」
ルフィさんにだけ聞こえるように小声で言うと、そっか! と彼は笑った。ロビンとの関係を少しは疑われるかと思ったのに、彼は私の言葉を信じてくれたのだ。
「でも、あいつは敵だからな。次会ったら、倒さなきゃなんねェ」
「……わかってるよ。大丈夫」
私がそう言うと、ルフィさんは頭を撫でてくれた。不器用な手つきだけど、温かかった。
「大丈夫じゃねェのに、大丈夫なんて言うな。お前のそんな顔は見たくねェ」
真剣な表情にどきりと心臓が鳴る。彼に触れられている頭が熱い。
……ああ、やっぱり私は彼が好きだ。
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↑の続き→←『此如何』____マリコ様リクエスト(ロビン逆トリからのトリップルフィオチで、夢主がミルキィーローズに変身して女神様に青い薔薇を授けられ、ジャヤに飛ばされるお話)(中編になりそうなリクだったので都合上割愛してる部分が多々あると思います)
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シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時