7話 ヤツが出た ページ9
・
「Aの屋敷がある山の近くに大きな花街があるだろう。そこに二手に分かれて潜入してほしいんだ。今回わざわざここに呼び出したのはね、A、君の力を借りるためなんだよ」
『私の……?』
どういう意味なのか問おうとする私の意図を察したのだろうか、産屋敷殿は右手を軽く上げた。
「単刀直入に言おうか、実はね、Aの屋敷がある山を挟んだ2箇所の花街で上弦の弐の目撃情報が上がっている」
「……!」
『(……上弦の、弐)』
知っている。昔、不運にもその鬼に出会ってしまい殺された隊員の鎹鴉がなんとか生還したことがあった。そして、鬼の大雑把な情報を伝えてこと切れた。それは蟲柱様から聞いていた情報とほぼ同じで、元花柱の胡蝶カナエ様が上弦の弐に殺されたあの時から今まで、どれだけ人を喰ってきたのだろうかと考えてゾッとした覚えがある。
「でも鬼は同じ場所に長くは留まらないだろう。
だから君の力を借りたい。上弦の弐の血鬼術が如何様なものなのかは知っているね?」
それも把握していた。冷気を撒き散らし肺胞を壊死させて鬼殺隊士の命である呼吸を封じる、という情報を聞いて、私の雪の呼吸と似ている部分があると密かに関心を寄せていたから。
「A、その特殊な呼吸を極めた者として私たちに力を貸してほしい」
『もちろんです……産屋敷殿。
拝命致しました。』
「そこに……ゴホッ、ッ、……あまね、っ、すまないが……私の、代わり……に……説明を、頼むよ」
「わかりました。お前たち、耀哉を奥へお連れしなさい」
「「はい」」
あまね様似の子供たちが産屋敷殿を支えて別の部屋へと向かっていくが、あまね様は平然とまた話を始めた。
「申し訳ありません。耀哉様に代わりご説明を続けさせて頂きます」
産屋敷殿の日増しに悪くなる体調ももちろん心配ではあるが、私の意識は何よりも上弦の弐が出現したことに傾いていた。
花柱様の実力は本物だった、逸材と言ってもいい。それでもあの鬼には叶わなかったというのだ。きっと今まで倒してきた鬼とは格が違うのだろう。背筋が凍ったように張り詰めた、後ろの3人はもちろん、霞柱様からも微かな緊張が伝わってくる。
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時