雪は白いが君は死ね【時透無一郎】

37話 否定 ページ40

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「_______はぁ、じゃあお二方はその"キサツタイ"という組織の隊士で、鬼を討伐するためにここまで来たと……ははっ」


ざっとした説明を聞かせてやると、先程用事から帰ってきたばかりの月英さんのご子息____晴(せい)さんは、「ありえないだろう」とでも言うかのように笑った。


「いや、懐かしいなぁ。
俺も子供の頃はよくそんなことを言って遊んでた(････)ものだよ」


何を勘違いをしたのか、鬼殺隊や鬼のことを架空のものだと思っているらしい。


こちらとしても別に信じて欲しい訳では無い。ただ協力して頂く上で月英さんの親族に事情も話さないのは無作法だろうかという善意だったのだけど……



『…………』



無視、だな。私は月英さんから話を聞きたいだけだ。一応顔が見えないように先刻から隠してはいるけど、彼にこのままここに居座られると困る。


『…月英さん、お話してくださいますか』

「……、…………ええ。私が知っていることは全てお話します…あれは、先日の月夜の晩のことでした……」


月英さんは目を伏せて、ぽつりぽつりと語りだした。私も霞柱様も静かにそれに耳を傾けている。

うまく情報を引き出せてよかった、私がそう安堵していると、不意に後ろから肩を引き寄せられた。


「母さん、まさかこの人達の話を真に受けてるのか？鬼が出るなんて出鱈目(でらため)に決まっているだろう。君もほら、うちはもうすぐ開店しなきゃ行けないんだからさ、ね？」

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