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28話 家主さん ページ29




『……………』


いつまでもグズグズと考え込んでいないで、切り替えて湯浴み中の彼の分の布団も引いて差し上げようとした。そこまでは良かった。


『…………何、これ……』


なんと二組あると思っていた布団が実際には1組しかなかった。いわゆる長布団というやつで、これだと2人で同じ布団に入らなければならない。


『(……た、ただでさえ同じ部屋ってだけで問題があるのに布団まで……)』


他の部屋に移るのは絶対に嫌だ。かと言って霞柱様をその辺に転がしておく訳にはいかないし、自分がその辺に転がされるのも嫌。


『どうしたら…もう床で寝るしか…』


でも明日は引き続き任務があるのにそんなことして体を痛めてしまったらどうしよう。前途多難すぎる……あ、そうか、家主さんに新しい布団を頂けば解決することじゃないか。

そう思って立ち上がった。


『(夕餉の支度をすると言っていたし、今は厨房にいるのかな。行ってみよう)』




































『家主さん』


今夜は優しい月夜だった。

夕餉の支度は出来たけれど、鬼狩り様の湯浴みが終わっていないようだし、それまで月でも見上げていようか、そう思い立って縁側に座っていたら、彼女は銀色を散りばめた雪のような髪を夜風になびかせながら、こちらに近づいてきた。


「……おや、鬼狩り様。どうかなさいましたか」


やはり似ているなとしみじみ思いながら、きょと、と わざととぼけた顔をしてみる。
彼女の言いたいことは大体わかっていた。


『あの……布団なのですが、何かの手違いか1組しか押し入れには御座いませんでした』

「それはそれは、申し訳ありませんが、山奥ゆえ客用布団はそれしかないのです」


()から聞いた話では、彼女は人の気配に鋭いらしい。私が白々しい嘘をついていることには多分気づいているのだろう。

触れてこないのは、単に私を責めるような真似をしたくないのか、それともこちらに何か事情かあると踏んでいるのか


『…で、でも、彼はああ見えて男性で……』

「でしたら、私の布団をお貸し致しましょう
ちょうど今朝干したばかりですし、こんな老人が使ったもので申し訳ないのですが…」

『……』


おや、黙ってしまった。
どうしたどうした。老人が使った布団は使えないか



『いいえ。それですと…貴方が困ってしまいますので、結構です』

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時

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