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25話 不意をつく ページ26



私は考えた。今までの人生でこれ以上ないくらい考えて考えて考え抜いた。


『…………………………………………………………………………申し訳ありませんが今一度町へ出てきます』


なんというか、決して恐怖心などではないのだが、入隊したての時に当時先輩だった人に入隊祝いという名目であの手この手を使って脅かされた記憶のせいで幽霊は少し…ほんの少しだけ苦手なのだ。

だから私が別の部屋に移ることはできない。
というかこんな話を聞いてしまった以上この家で1人で眠ることなんてできないに決まってる。かと言ってこの部屋で2人で寝てあの悪夢にうなされているところを彼に見られるのなんて絶対に嫌だ。

出会って間もないけれど、私は彼に好意的な感情は持ち合わせていない。


だったらいっそ外に出てしまえばいい。町なら明るいし、適当に宿をとればやり過ごせる。


「……何をしに?」

『一夜の宿を探しに……では、』


折角近くに藤の家紋の家を見つけたのに…………やるせなくてふらりと立ち上がると、くい、下から引っ張られる感覚に体が硬直した。


「…………」


私の雪色の羽織りの袖を、霞柱様が離すまいとしっかり掴んでいる。


『…………あの、』

「鬼が出るよ」


そっぽを向いて突然言い放った。私の羽織りを掴む手の力は一向に緩む様子がなく、正直言って戸惑う。急にどうしたんだろう


『……か』

「鬼が出る」


まるで、行って欲しくないとでも言うように今度は掴む力が強くなった。切実に事情を説明してほしい。


『…………』

「…………」


暫しの沈黙。

あまり頭を使うのは得意でもないが、私は必死に脳内で思考を巡らせていた。

幽霊が出るかもしれない状況で……部屋から出ようとする私を引き止めている霞柱様……、、?


『___!』


次第にあるひとつの結論に結びついたけれど、本当にこれで合っているんだろうか、わからない。私は人の心がよくわからないし、遠巻きに眺めるものでしか無いと思っていたから。

でも_________何故だろう。彼からは私と同じ気配がする。今も、ほんの微かな困惑の気配を感じる。

もしかして、彼もそうなんだろうか。
記憶をなくして、執着できるものや理解できるものが一気に少なくなって、こういう時もどうしたらいいかわからない。そうなのかな、だとしたら


『………失礼』


私は目の前の丸い頭に手を伸ばした。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時

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