18話 汽車と睡魔 ページ20
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_______大きな鉄の機体が、ガタン、ゴトンと音を立てて不規則に揺れた。窓からの景色はどんどん移り変わっていって、開け放っている窓からは心地よい風が入ってくる。
ここは汽車の中だ。
任務の場所まで徒歩で行くのは遠すぎて容易ではないので、向こうでの任務に差し支えるのではとの判断で目的地まで汽車で向かっている。
その遊郭がある花街は私の屋敷に近いらしいが、私の屋敷から産屋敷邸に行くのも全速力で走って半日以上かかった。何でも、療養から復帰したばかりの宇髄様にはその道のりは辛いだろう、と胡蝶様が産屋敷殿に助言なさったのだそう。
とはいえ汽車とて一日に何本も出ている訳ではなく、それでもこちらとしては出来れば鬼の出ない昼のうちに調査を済ませてしまいたいものだから、今私たちは一日の1番最初にでる汽車に乗っている。明け方に起こされたのはそのせいだった。
『(…………眠い、けど…)』
中途半端に睡眠をとってしまったが故の眠気に顔を手で覆いながら、向かいの座席にちらりと視線を送る。
彼は艶やかな黒髪を風に靡かせながらボケーッと何処かを見つめていた。
…任務を前に気を抜くなんてよろしくない、ましてや移動中に寝るなんて……絶対によくない。
それに眠ったら必ずあの悪夢を見るというのに、気を張って起きていなければ……
いつもは異様なくらい睡眠時間が短いくせして、どうしてかこういう時に限って睡魔が襲ってくる。
『(いけない、任務に集中しなければ…)』
眠くなって、正気を取り戻して、また眠くなって、正気を取り戻してを繰り返しながら、私は今回の任務の詳しい全容を思い出していた。
今回するべきことは2つ。
まずは被害にあった北の花街で本当に上弦の弐が現れたのか、情報に誤りは無かったのか確かめるべく調査を行う。その後は目撃情報があった南の花街でも聞き込みを行い、産屋敷殿に報告書を書くこと。
『(独自に調べてみたところでは、上弦の弐は無類の女喰い。美しく若い娘だと尚良し、か)』
頭から血を被ったような容姿に、虹色の瞳。
ここまで正体がわれているのに柱ですら一向にあったことは無いという。……そう、これは神出鬼没な奴らに近づくための 手がかりを見つける大切な調査…………
だからこそ……それを前にして………眠るわけ…には……いかないのだけれど…………
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時