17話 シンプル ヰズ ベスト ページ19
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「___________……い、おい、起きろ、紲条。」
誰かに頬をぺちぺちと叩かれて目を覚ました。眠りについてからまだそれほど時間が経っていない状態で起こされたからか、目が少しボヤけている。
寝不足はいつもの事だけど、昨日の夜はいつもより夜更かししてしまったからな……なんて考えながら、ふあ、と一つ欠伸をした後、ふと昨夜の会話を思い出した。一晩寝ても案外忘れていないものなのだな。
さて、私を起こしたのは……手の感触からして男の人。気配は強靭だ。というか、この気配は柱の誰かではないだろうか。だとしたらいつまでも半目でグズっているわけには行かない。
『…………おはようございます。お疲れ様です。…ええと、宇髄さま…………』
「………………………あ、あー、つーか他の奴らも派手に起こしてくるからお前もさっさと起きろ。任務だ。女は支度に時間かかるだろ」
『御意………』
おそらく竈門少年たちの部屋に向かったのであろう宇髄様の大きな背中に向けてゆっくりと返事をした。別に朝に弱いわけでは無いのだが、昨夜は突然鼻血を出して倒れた我妻少年の介抱をしていたせいで1時間も寝れていない。しかもまだ明け方、朝とは微妙にいえない時間帯だ。
ふらつく頭を抑えて寝具を片付けてから、顔を洗い、寝間着を着替えて鏡台の前に座った。
窓から入る光が白銀色の髪を照らしている、1束1束丁寧に櫛で解いてから、きっちりとした三つ編みの編み終わりをキュッと締めた。それから髪飾りをつけて、血色の悪い顔を少しでも隠すために薄い化粧をほどこす。紅は真紅色のものを唇に少しだけ落として、最後に睫毛を軽く整えて完成。我ながらいい出来だ。
『……よし』
こんな私でも化粧は好きだったりする。まるで、色のない自分を化粧が彩っていくようでわくわくするから。まぁそうは言っても宇髄様のような派手な化粧で冒険してみたりも出来ず、やり過ぎはよくないという大義名分で大体いつも同じような化粧で済ませてしまうのだけれど……
__爪先まできちんと整えて、お気に入りの香油を軽く髪につければ支度は終わりだ。さあ、早く宇髄様たちと合流しなければ。
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時