13話 気に入らないの ページ15
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「何か用?」
こちらを一瞥したあと、一瞬何かに気を取られたような表情をしたけれど、すぐまた目を逸らしてそう問い掛けてきた。
部屋の足元には色とりどりの色紙がたくさん散らばっている。
『…これは…?』
「君に話す必要あるの?」
棘のある言葉だけど、これっぽっちも悪意の気配を感じない。
多分思ったことをそのままに話しているのだろうが、そもそも私は竈門少年がいるかもしれないと気になっただけで、霞柱様と雑談などするつもりはなかった。あまりにも大量の色紙を見てつい話を振ってしまったに過ぎない。
『……いえ、少し思い違いをしました。失礼します』
「待ちなよ」
朝日を待つ山麓にかかった霞のような、掴みどころの無い声が私を引き止める。それでも、私は表情を崩さずに言った。
『…何か?』
「君、随分あの子に入れこんでいるようだけど
何かあったわけ?」
空気が一瞬焼けついた。ぼやっとした青色の瞳が私をじっと見つめてくる。だけどこれくらいで心を乱されるようではダメ。動揺もしない、絶対。常に平常心を保っていられるようでないと、くせ者が多い柱達との対話は出来ないのだ。霞柱様とは何かと会うことが少なく、今日の朝が初対面だったのだけど、今までの経験でわかる。
口下手で寡黙な水柱様やそんな水柱様にキレる風柱様、ねちっこい蛇柱様にどこを見てるのかよくわからない元炎柱様。恋柱様は隙あらば誰かにときめいているし、元音柱様は派手好きで派手が口癖な上、格好も派手派手。岩柱様は疑り深くて中々に掴めないお人だった。
一癖も二癖もある柱達。彼もきっとその例に漏れずくせ者なのだろう。
「それに今お館様の部屋の方から来てたよね。もしかしてまた柱にならないかって誘われたの?何回目?炎柱も音柱も不在となったこの状況で断り続けても意味無いってわからない?」
『……それでも、私は』
" 半端な覚悟で人を守ろうとするんじゃない、命を懸ける覚悟がないなら首を突っ込んじゃあダメだ "
『……私には……鬼殺隊のために命を懸ける覚悟がないのです』
「だったら辞めれば?自分でも思わないの?
たとえ柱でなくともそんな半端な人間が身を置いていい場所じゃないって。
お館様も君を大層気にかけてる。さぞ気分がいいんじゃない?そんな半端な覚悟で鬼殺隊に入って認められて、挙句の果てには柱になれと勧誘されてさ」
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時