11話 慈愛 ページ13
・
「……ね、…ねず、こ……にげ…」
『…………』
懐から手ぬぐいを取り出す、傷だらけの顔には少年のものなのかもわからない血がめちゃくちゃについていて、この小さくて幼い少年の体でどれだけ頑張ったのかが見て取れるようだった。
那田蜘蛛山に行ったのなら他の鬼の返り血もあるかもしれないし万が一のことを考えて血は拭ってあげられないが、冷や汗がすごい、この気配で階級が癸ということは入隊したてか、きっと最近までは普通の一般人だったんだろうな。
ふと手を見てみれば、とても入りたてとは思えないほどボロボロだった。まめや内出血も酷い。痛々しいくらいだ。本当なら今すぐ治療してあげたいがこの後裁判ににかけられるというのなら勝手に連れて行ってはダメか……
怪我した箇所が痛むのか、目元にはうっすらと生理的な涙が浮かんでいる。
『……可哀想に』
自然と出た言葉だった。涙をそっと指で救って、頬の土埃を落としてやると、幾分か綺麗にはなったが浅い呼吸を繰り返してまだ辛そうにしている。
特徴的なピアスとか、全体的に丸っこい顔をなんとなしにじっと眺めていたら、後藤と名乗った隠に遠慮がちに声をかけられた。
「………………………あっ、あ、あのー。あんまり構わない方がいいと思いますよ。そいつは鬼を庇った反逆者で、名を竈門炭治郎というんですが、隊内での味方はほとんど誰もいないですし……」
『…忠告感謝します。ではバレないうちに失礼させて頂きますので、くれぐれもこのことは内密に…』
近くに強大な気配が迫っているのを察知し、誰にも見られないように裏口から屋敷を出た。
…後藤と名乗ったあの隠、立場上少年に私のような振る舞いをする訳には行かなかったのだろうが、優しい気配を感じた。彼が口外するとも思えない、つまり誰にも見られずに済んだのと同じだということ。
『(それにしても不思議な気配の子だったな……)』
確か、名は
「かまど……竈門炭治郎」
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時