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「入りなさい。」
谷田部「……あっ、」
『……何かあったらお呼びします。』
「了解しました。」
谷田部「……あ、あの、」
『何をしてるんです?私がいつ真田梨央をナイフで刺せって言いました?』
谷田部「…………。」
『……こっちは貴重な時間さいて話聞きに来てやってんだからさっさと答えてくれませんかね。……私、真田梨央を刺せって言いました?』
谷田部「……言ってません。」
『ならどうして勝手な行動したんです。』
谷田部「…………どうせなら、痛い目見せてやろうと」
『どうせなら?』
谷田部「…………っ、」
『へぇ……与えられた仕事もまともにできない癖に「どうせなら」?………そういう無駄な気を遣う前に仕事をきっちりとこなしてくれませんかね。』
谷田部「…………、すみません。」
『だから研究員も引き抜かれて会社も潰れんだよ、クズが。』
谷田部「……そ、んな言い方、」
『私なにか間違ってます?』
谷田部「…………いえ。」
『なら口答えしないでください、腹が立つんで。』
谷田部「………………僕は、どうなるんでしょうか。」
『……そんなあなたにいい知らせです。あなたの事件の担当検事は私になりました。……あら?いいお知らせなのに顔が曇ってますね、どうかしました?』
谷田部「…………。」
『私ね、日本の検察官の中でも高い有罪率を誇ってるんです。このケースも……まぁ、私の手にかからずとも100%有罪でしょうね。……あなたは自分の意思で真田梨央に近付いて刺し殺そうとした。それは紛れもない事実ですから。』
谷田部「……ちょ、っと待ってください、あなたは、」
『私?私は「真田梨央から情報を引き出してくれ」って言ったんです。だけどあなたは私からの依頼を断り、自分の手で、自分の考えで真田梨央にナイフを向けた。……全て、あなたの意思で行った事でしょう?』
谷田部「は……?」
『……どうしたんです、アホ面晒して。……もしかして説明してもなお、お前も裁かれるべきだとか思ってます?……まじで馬鹿だな、もう一度言いますよ?……私は、お前に一度でも、真田梨央を刺せって言いました?』
谷田部「…………。」
『……自分が使えないゴミ……いや、ゴミと比較したらゴミが可哀想なくらい無能な人間だという事を、刑務所の中でよく考えてください。』
谷田部「このクソガキ!!!!」
「何をしてる!辞めなさい!!辞めなさい!!」
『……ははっ、』
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