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ちょっとだけおぐろい描写が出てきます。
ご注意ください。
(「お」付けても変わんないか)
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『…………………っ、どうぞ。』
「……また資料見ながらご飯食べてる。食欲失せないんですか?」
『ただのパソコンに映ってる文面と写真じゃない。』
「だけど……傷口とか血痕とか痛そうな写真ばっかじゃないすか。」
『もう殺されてるんだから痛くないわよ。』
「しかもよりによってステーキって。」
『別に人間の死体を食べてるわけじゃないんだから。』
「佐伯検事お得意のアメリカ仕込みのブラックジョークですか?」
『違う。』
「で?今回はなんの事件をおかずに?」
『…………これはね、何年も前に海外で起きた……例えるなら【羊たちの沈黙】のハンニバル・レクターが起こしたような事件かしらね。自分が殺害した遺体を鋭利なナイフで解剖して、新鮮な臓器を調理して、何も知らないゲストに食べさせて、証拠隠滅する……そんな事件。気になるようなら資料読む?』
「え、っ……?」
『……そういえばこのステーキをさっき知り合いのシェフにテイクアウト用にステーキ弁当にしてもらったんだけど、このお肉、今朝仕入れてきた新鮮で価値の高いお肉なんですって。……一切れいかが?』
「ひ……!?い、いりません、失礼します!」
『………さて、』
《2006年、渡辺康介失踪事件及び、2021年、渡辺昭殺人事件について》
『…………はい、佐伯。……えぇ、特に疑問点もなくデータに記入する事が出来ました。よくもまぁこんなに徹底的に調べあげてますね。……そりゃそうか。……ありがとうございます。
……あの時は私とした事が少し焦りました、一時はどうなる事かと思ったけど……あなたがいてくれるなら問題なさそうですね。……もちろん報酬はお渡しします。あなたには感謝してるんですから私から裏切る事なんて絶対にしませんよ。
……あなたが私を裏切らなければ、この関係が終わる事はないでしょう。
…………ですがまだ足りません。もっと情報が欲しいです。……私は何度もあなたに言ったはずですよ?報酬をお渡しするのは、15年間で起きた全ての事件の真相が白日の元に晒され、クズの性根を叩き潰した時だって。
……それまでもう少し私の駒として働いてください。………通話履歴は消すように。……ではまた近々。』
…………………………
『…………ご馳走様でした。』
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