喧嘩ができないスケバンちゃん。６！【今日から俺は！】

第７話！ ページ10

明美「京子さん、伊藤さんに好かれたいならスケバン辞めればいいのに。」

帰り道、明美さんがものすごい事を言い出した。

『でも、私達の番長は京子さんしかいないですから辞めてもらっちゃ困りますよ。』

明美「私は空気が読めないんじゃなくて、周りが空気読まないだけなんだと思うんだ。」

明美さんにそんな事を言われるとは思ってもいなかった。

じゃあなんであなたはこないだ空気を読む練習に付き合わせたんですか。

明美「まぁ、京子さん辞めたらお前が番長になる事になるけどな。」

『なんでですか、辞めてくださいよ。』

私が番長になったら間違いなく成蘭は崩壊するだろう。

てか転校生の私がなんでやねん。

と思っていると、明美さんは「あはは。」戸声を出して笑った。

明美「じゃ、私こっちだからまた明日。」

そう言われ、明美さんに手を振って、明美さんとは別方向の道へ進む。


その瞬間、誰かが私の目を隠してきた。


「だーれだ。」


だけど私には犯人が分かっている。

『そんな事するのは猛くんしか居ないよ。』

相良「なんでバレてんだよ。」

『バレるでしょ、どんだけ声聞いて一緒にいると思ってるの。』

そう言うと、猛くんは笑って「すげぇ」と楽しそうに言う。

猛くんは、見かけによらず可愛い所あるからずるいんだよなぁ...。

相良「これから智司の家行くけど、Aも一緒行くか？」

智司さんのお家か。

猛くんと破局するんじゃないか事件でお世話になった以来、来ていない気がする。

いや、間違いなく来ていない。

『行く！一緒行こ！』

そう言って私は猛くんの手を握った。

すると猛くんも握り返してくれる。

だけど、今回は猛くんは私の指と自分の指を絡ませた。

いわゆる恋人繋ぎってやつだ。

相良「あったけぇ。」

『...本当に寒がりじゃないの？』

相良「...Aの体温とか、匂いとか、なんか、近くにいると落ち着くんだよ。」

そして続けて、猛くんは「大人しく握られてろ。」と何故か命令形で言ってきた。

本来腹立つべきなんだろうけど、全然怒る気になれないから猛くんはずるい。


そして、人通りが少ないところでは私にぴったりくっついて歩いた。

『歩きづらいよ、ちょっと離れてよ。』

と言っても、猛くんは私にニヤニヤ笑いかけながら離れてはくれなかった。


全然嫌になれないから、本当に猛くんはずるい人だと思う。

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