喧嘩ができないスケバンちゃん。６！【今日から俺は！】

第６話！ ページ9

スケバンになってから、問題に巻き込まれるようになった。

本来スケバンは問題を起こしたりするものなんだけど。

いかに車椅子生活が平和だったのかを思い知らされる。


京子「てめぇらぁ！何回早川京子にボコボコにされたら気が済むんだい！」

こちら、私が通っている成蘭高校の女番長の早川京子さん。

こんなに可愛らしい顔してんのに、喧嘩になると本当に容赦ないから怖い。

明美「京子さん、もうそろそろ根性焼き入れちゃったらどうっすかね？」

こちらは同じ成蘭高校のスケバンの、川崎明美さん。

いわゆる京子さんのガード役な存在だけど、まぁこの人も制御が効かないから怖い。

結論、スケバンはだいたい怖い。


『京子さん、根性焼きは流石にまずいです。だって、なんかもう反省してるじゃないです』

「反省なんて気取った事してたまるか！」

空気読め。

助けてやろうとしてんだから空気読めよ。

京子「おら、A！こいつら反省なんてしてたら何度も刃向かってこねぇっての！」

そう言って煙草をその人の腕に押し付けようとしたその時...。


伊藤「京、ちゃん？」


そう言って駆け寄ってくるのは、京子さんを唯一止められる人物。

そして唯一京子さんを面倒くさくする人物。

伊藤「...なに、してんの？」

伊藤さんがそう聞くと、京子さんは

驚くほど乙女になってしまう。

京子「わかんなぁい。あのね、演劇サークルのお芝居中だったの。」

明美「お芝居なんてしてないっすよ。」

明美さん、あの時の空気を読む練習はどうなったの。(第1章 参照)

京子さんは伊藤さんに見えない角度ですごい顔で見てきた。

いや、私関係ないんだけど。

伊藤「てか、Aちゃんも入ってんだ。演劇サークル。」

火の粉がこちらに飛んできてしまった。

『あ、いやー、あの、私は...』

京子「Aさん、すっごく演技がお上手なんです！ねー！Aさん！」

駄目だ、この人目が笑ってない。

ここで怒らしたらやばいと思い、私も『ねー。』と、とりあえず答えておく。

伊藤「京ちゃん、今日はどこ行こっか。」

京子「んー、パフェ食べたーい。」

伊藤「じゃあつんつんして？」

京子「つんつん！」

伊藤「ぴこーん！」

駄目だ、ムカつきたいのにムカつけない。

伊藤「じゃ、京ちゃん、お稽古頑張ってね！」

そう言って手を振って伊藤さんが去ると、京子さんは明美さんの首根っこを掴んだ。

京子「空気を読めって、言ってるやろがいぃ！」

本当に怖い人だ。

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