喧嘩ができないスケバンちゃん。６！【今日から俺は！】

第３９話！ ページ44

お父さん「ただいまぁ。」

『おかえり。タイミング悪かったね、今猛くん帰っちゃったよ。』

私がそう言うと、お父さんは「えぇー。」とあからさまに残念そうに言った。

娘と久々に帰れた家に感動するのではなく、猛くんが帰ったのに残念そうにするお父さん。

流石というかなんというか。

『とりあえず、ご飯作っておいたから。先お風呂入ってきな。』

お父さん「...。」

『...なに、なんか付いてる？』

お父さん「A！久々だな！」

『それ最初に言って。てかいいから、早くお風呂入ってきて。』

お父さんは、物事の順序がおかしい。

えぇー。の前に絶対今のセリフだろう。

そんな事を思いながら、さっき作って猛くんと食べた肉じゃがを温め直す。


お父さん「うん！美味しい！」

お父さんは、私の食べた料理がどんなに不味くても美味しい。と言ってくれる。

最近は嘘をついてるようには見えないから、ちょっとだけ嬉しいんだけど。

お父さん「Aは食べないのか？」

『さっき猛くんと食べちゃったから。』

お父さん「なんだ。てっきり女子によくあるダイエットってやつかと思って心配したよ。」

『...それ遠回しに太ったって言いたい訳？』

私が意地悪でそう言うと、お父さんは本当に焦って「ち、違うよ。」と返した。

お父さんはこういう冗談も通じないほど天然(馬鹿)なので、からかってて面白い。

お父さん「Aは細いんだから、ダイエットなんてすんじゃないぞ？」

『はいはい。』

私は面倒くさそうに返事を返し、さっき取ってきたお水を飲む。

ダイエットなんて死んでもやるもんか。

幸せを摂取するだけで満足なのに。


お父さん「...A。ちょっといいか？」

お父さんが箸を置いて、真剣な顔でこちらを見てきた。

『...なに、そんな怖い顔して。』

そうやって笑いながら言うけど、お父さんの真面目な顔は変わらなかった。

お父さん「Aは、こっちに来て良かったと思ってるか？」

『...え、なに？今更。』

お父さん「まぁまぁ、質問だから。」

『楽しいよ。トラブルとかもたくさん起きる街だけど、ものすごく充実してる。』

私がそう言うと、お父さんは嬉しそうに「そうかそうか。」と言う。

ただ、そんな幸せな質問で、あんなに真剣な顔をするだろうか。

『...なんかあった？』

私がそう聞くと、お父さんはテーブルに肘をついてこう言った。





お父さん「千葉を、出て行くことになった。」





『......はい？』

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