喧嘩ができないスケバンちゃん。６！【今日から俺は！】

第３０話！ ページ34

三橋さんが、やられた？

いや、ちょっと待って、後ろから回るって言うのに、なんでやられてんの？

開久全員集合だったし。

...誰か、残ってたのか？

いや、でも、開久の人が三橋さんに勝てるとも思えないし...。


そんな思いとは裏腹に、三橋さんは血まみれの姿で、開久の人に引きずられて来た。


相良「どうだ、これが開久だ！お前らの頭は取ったぜ。侘びいれりゃ許してやるよ。」

Aは別だけどな。と小さく言ったのを見逃さなかった。

こんな状況でも、可愛いと思ってしまう私をぶん殴ってやりたい。

相良「...おい、誰がやった。」

「あ、いや、誰がやったかは分からないんですけど、廊下に倒れてました。」

...あっ。

相良「なに？」

『猛くん！逃げて！』

相良「え？」


三橋「とーうっ！」


ついつい言ってしまったけど、今は三橋さんの仲間だった事を忘れていた。

三橋「さんちゃんパーンチ！」

私が止める隙もなく、三橋さんは猛くんにさんちゃんパンチをお見舞した。

それを受けた猛くんは、ビックリするくらい吹っ飛んで、後頭部を強打し、動かなくなってしまった。

...え、死んでないよね。

『猛くん！！』

心配だったので、三橋さんの仲間なんて事忘れて、猛くんの元に駆け寄った。

机とかが邪魔で、行きづらかったけど、なんとか辿り着くことが出来た。

三橋「Aちゃん！相良に、もう金取りに来ないでって言っといて？」

そんな三橋さんの言葉に、『...はい。』と答えるしかなかった。

そんな私にニコリと笑いかけ、陽気に

三橋「みんなー！帰るよー！」

と、先頭をきって「ピッピッ！」と笛を吹く真似をして行ってしまった。

開久の人達も、私も、それを見て唖然だった。

まさか喧嘩の後に、サザエさんみたいな出て行き方するとは思えなかったから。

すると、三橋さんだけ戻ってきた。

喧嘩を売る気だろうか、そう思った瞬間、三橋さんは堂々とした態度でこう言った。


三橋「これで俺が千葉最強だぁ！！」


そうか。

今まで千葉最強は智司さん。

2代目の最強は猛くんだった。

2人ともいなくなったって事は、それに勝った三橋さんが千葉で最強という事になる。

...2人の、面子はどうなるんだろう。

智司さんはともかく、猛くんの面子が潰れるのは間違いないだろう。

...そうなったら、まさか、三橋さんに復讐するのだろうか。


『...とりあえず、猛くんを外のソファーに運びます。お手伝いしてください。』

第３１話！→←第２９話！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す