喧嘩ができないスケバンちゃん。６！【今日から俺は！】

第２７話！ ページ31

喫茶店を後にして、三橋さんが拾ってきた鉄の棒を持つ。

こんな危なっかしい物を持つ機会は、東京にいたらなかっただろう。

それもあってか、商店街の皆さんに危ない奴を見るような目で見られている。

谷川「変な目で見られてるの、あの2人ですからね。」

今井「お姉さん！足が疲れたら、肩車して運んであげますので！ご安心を！」

...今井さんは馬鹿だけど、紅高の人は良い人なのではないか。

三橋「開久...。一体相良はどういう感じで待ってんだろうね。」

伊藤「知るか。あのクソ男、会ったらぶっ飛ばしてやる。」

伊藤さんはそう言った時、はっとなり、私の方を思いっきり向いた。

伊藤「あ、いや、あの、ごめん。」

『...いや、大丈夫です。』

伊藤さんは智司さんとやってから、猛くんにボコボコにされたんだから、仕方ない。


開久の近くまで行くと、急に三橋さんが走り出した。

三橋「...おい、佐川。」

さ、佐川？

あの、文化祭で私にナンパしてきた佐川さん...？

駆け寄ると、佐川さんは血まみれの状態で開久高校の柱に寄りかかっていた。

佐川「...やられちゃいました。皆の、お金。」

お金って、まさか300万...？

三橋「...ぜってぇぶっ殺す。」

喧嘩、反対だったのに。

なのに、こんなもの見せられたら...。

『...やります。』

伊藤「え？」


『...私もやります。』


あんなもの見せられて、黙っている鳴滝Aじゃない。

こんなになるまでボコボコにして、お金を奪って...

猛くんがいる開久高校でもさすがに許せない。

『ケチャケチャにしてやる。開久。』

三橋「嘘だろおい...。」

今井「お姉さんがマジの顔になってる...。」

『行きますよ！』


足は震えるし、鉄の棒を握っている右腕も震えてしまう。

足踏ん張って、右腕の震えも止めて、覚悟を決める。

三橋「俺は後ろから行って相良を絞める。今回ばかりは許してくれ、Aちゃん。」

『...はい。理由が理由ですから。』

三橋「伊藤と今井がボコボコにして、弱った所を谷川とAちゃんは殴れ。」

気合が入っている今井さんに、もっと気合を出させる為だろうか。

三橋「今井！今井！」

今井「うぉぉおおおお！！」

という謎のコールが起こった。

とりあえず合わせて手を叩いていたけど、これ大丈夫だろうか。

今井「たのもー！」

今井さんに続き、伊藤さん、谷川さんの後に、私はついて行く。

『たのもー。』と小さく呟いて。

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