喧嘩ができないスケバンちゃん。６！【今日から俺は！】

第6章、はじめの話！ ページ1

私はスケバン(仮)だ。

(仮)がつく理由、それは


喧嘩ができないから。


喧嘩はできないが、ちょっと前になんやかんやあってスケバンの格好をしている。

なんだかもう最近、ありがたい事にこの説明にも慣れてきて早口で言えるようになってきた。

ただ、スケバンに慣れた訳では無い。


だって喧嘩売られるのも怖いもの。

今みたいに。


「ちょっと飲み行こうよ、金は出すからさ。」

『や、辞めてください。未成年の飲酒は犯罪です。』

もっとガツンと言えばいいのに、この後なにをされるのか怖いので言えない。

ガツンと言った結果が、初めて人に殴られた事件だったので余計に怖くて言えないのだ。

「うるせぇ姉ちゃんだなぁ、顔も大して可愛くないんだから黙って従え！ブス！」

ただ、ブスと言った場合以外は。

『...はぁ！？あんたらがブサイクだからどんな女の子も釣れないんだわ！ブス！』

「なんだと！？さすがにお前レベルのブスには釣れる奴が多いわ！頑固ブス！」

『大体！こんなお年頃の女の子にブスっていうお前の根性がブスだ、ぶーす！』

「てめぇ、人の事ブスブス言ってんじゃねぇよ！ぶっ殺すぞ！ブス！」

『おぉ、やってみぃや！ブスなりに頑張って殺してみろ！クソブス！』

私がそう言うと、そのブスさんは私に殴り掛かってきた。

だけど、私はこないだ学んだ事がある。


ピタゴラスイッチのアルゴリズム体操は、喧嘩の避けに役立つ、と言う事に。


頭を下げればぶつかりません、と思いながら頭を下げた。

「へっ！どこで学んだんだかなぁ！」

『みんな大好きNHKで学んだわ！』

その後もどんどんその人は殴り掛かってくるけど、私はその人の事を殴らなかった。

いや、訂正。

人自体殴れないんだった。

「姉ちゃん、とうとう俺の本気を見せる時が来たみてぇだなぁ！」

最初から本気出せよ。と思っていると、その人は自分のズボンのポケットから

『な、な、ナイフ。』

普通になんでも切れるナイフを私に向けた。

『ちょ、え、や、辞めてください。』

「姉ちゃんが殺してみろって喧嘩売ってきたんだろ？」

しまった、盲点だった。

その人は私にナイフを向け、こちらに向かって走ってきた。

これはさすがにアルゴリズム体操でも無理だ...


相良「はい、Aちゃん、みいつけた。」

そう言って猛くんは、その人を後ろから鉄の棒で殴った。

『こ、コ○シー。』

相良「早く行くぞ。」

私は猛くんに手を引っ張られ、連れて行かれた。

人物紹介→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す