【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

長らへば　またこのごろや　しのばれむ　憂しと見し世ぞ　今は恋しき／湯毛／椿　リクエスト ページ45

あの日から、私と湯毛先生の放課後勉強会が始まった。




「んで、ここがこうなるはず」

「あっ！本当だ！」




他の教科は自信ないとか言ってたくせに。

湯毛先生の教え方めっちゃうまい……！！



これなら本当に全教科70点超えいけるんじゃないかってくらい。



ま、純粋に湯毛先生が好きだから頭に入ってくるのもあるけどね。




「よし、じゃあちょっと休憩するか」




ペンを置いて湯毛先生はぐーっと背中を伸ばす。

私はそんな湯毛先生を頬杖をついて眺める。んー推し。


私の視線に気付いたのか、先生ははっとして咳払いする。




「ふふふ、湯毛先生毎日ありがとうございます」

「ほんとよ。俺別に3年担当やないのに」




それに、と先生は私と同じように頬杖をつく。




「お願い事も一個叶えないけんしなあ」

「お、お願い事……」




言い方可愛い！！私あの時約束とか言ってたのに！！すき！！



そうだそうだ。私そんなこと言ってたんだった。

お願い事かあ。特に考えてなかったけど、何にしよう。


デートとかなんとか……きゃーっ！！




「で、何なん？」

「何がですか？」

「俺に叶えてほしい願いって」




じっとこちらを見てくる先生。

どきっと心臓が跳ねて、どくどくと鼓動を早める。




「願い、は」




大好きな、大好きな先生。

先生が私だけのものになればいい、なんて。迷惑ですか？




「先生、が、好きです」




声を振り絞って言う。緊張故か、声が少し震えた。




「え」

「だから、その、70点超えたら……」

「……」




怖くて、先生の目が見れなかった。

少し間が空いて、先生の声。




「ええよ」

「……えっ？」

「70点超えたら、な」




湯毛先生は意地悪っぽくにやっと笑った。

窓から差し込む夕日が湯毛先生の髪を照らしている。



先生はどうやって解釈したの？

本当に私の言いたいこと、わかっての返事なの？




「じゃあ、これは先払いっつーことで」




ガタッと、イスの音がして。

湯毛先生の、男臭い香り。


咄嗟に出た私の腕をぎゅっと掴んで。



私の額に、軽く、そっとキスをした。




「テスト、頑張らんとな」




憂しと見し世ぞ 今は恋しき








￣￣
こういうイケナイ恋愛系めっっっちゃすき。長編にしちゃったよ。

他の実況者も先生にして出したかった〜！！


リクエストありがとうございます！！！！！

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