【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

契りおきし　させもが露を　命にて　あはれ今年の　秋もいぬめり／湯毛／椿　リクエスト ページ43

「なんか最近誰かにつけられてる気がするんだよねえ」




契りおき しさせもが露を 命にて




食べかけのポッキーを名の通りポキッと折って兄……ヒラノは目を見開く。

あ、やべ。やってしまったかもしれない。




「なななな、何それ……俺聞いてへんのやけど」

「うーん、まあつい最近の出来事だからさ」

「いや……っどうする？ボディーガードでも雇う？」

「やめて！！」




と、いうわけで。




「ボディーガード役に俺が選ばれたわけか」

「どうもすみません湯毛さん」




深々と湯毛さんに頭を下げる。


湯毛さんはヒラノのお友達で、私も何度か会ったことがある。

私は身長が低い方だから、湯毛さんの威圧感がすごい。熊みたいな。



確かにこれならストーカーもビビるはず！




「Aちゃんは、そのストーカーの顔とか見たことあるん？」

「いえ、全く。それに直接被害を受けたわけでもないので」

「気のせいかもしれんってことな」

「はい。ほんと、申し訳ないです」




湯毛さんはええよええよ、と笑う。




「ほんで今日はどっか行く予定あんの？」

「はい！今日は……」




それから私が出掛けるときは、出来る限り湯毛さんも一緒になった。



会社に行く時は友人と。家に帰る時は、湯毛さんが迎えにきてくれる。

休日も湯毛さんやヒラノと出掛ける。




そこで、私は気付いた。

湯毛さんが私といない時だけ、ストーカーが現れることに。



そして私はストーカーの顔を見るべく。

今日は友人と出掛ける日なのだが、わざと道に迷ったフリをしている。


私がひとりになるからだ。




(きたー……！)




後ろから、なんとなく感じる気配。

このまま路地裏にでも引き込めたら……。




「いっ……！！」




と、その時。



運悪くハイヒールの足が折れてしまった。私はがくっと態勢を崩す。

運動音痴の私が受け身なんて取れるはずない。




(怖い…………っ！)




ぎゅっと目を瞑る。

しかし、痛みはこれっぽちも無くて。




「湯、毛さん……？」




恐る恐る目を開けると、湯毛さんに腕を掴まれていた。

湯毛さんは私と目が合うとはっとして、苦笑した。




「だ、大丈夫か」

「はい。……あっ、ストーカーは！？」

「ストーカー？」

「おびき寄せてたんですけど……それにしても奇遇ですねー」

「……ほんま、奇遇やね」




あはれ今年の 秋もいぬめり







￣￣
どうでしょう、ヤンデレ感でましたかね？？文字数ッ！

椿さん、愛してます(真顔)


リクエストありがとうございます！！！！！

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