【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

わたの原　漕ぎ出でて見れば　ひさかたの　雲居にまがふ　沖つ白波／せらみかる／コア　リクエスト ページ41

昔から地味で、声が小さくて。自分に自信が持てない私。

そんな私に奇跡が舞い降りた。




「僕にもかなたのこと見せてよ。他の人には見せないかなたのこと」




大好きな、大好きなみかるくんに会ってそんなことまで言ってもらった。




わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの




言ってもらったのは、まあいいけど……。




「Aー！こっちこっちー！」

「あ、っ、はいっっ」




みかるくんは私を見て目を細める。

私はぎくっとしてみかるくんから目をそらす。


またやってしまった。




「もー、Aまた敬語使ってるじゃん」

「ご、ごめんなさい……あ」




やれやれ、とみかるくんは笑う。




「いいんだよ、変な気使わなくて。もう友達なんだから」




友達。そう言ってくれるのは凄く嬉しいけど、地位が違いすぎる。

私はしがない大学院生。みかるくんは有名人。


そこからもう敬語を使わなくちゃいけない感じなのに。


私はそれプラス、自分に自信がないからもっと敬語を使いたくなる。

なんていうか、相手を敬う感じ。




「どうしよっかな……あ、そうだ！」

「……？」

「今日は一日、Aのネガティブを克服する日にしよう！！」

「っ……！？」

「れっつごー！」




みかるくんは私の手を元気よく引っ張っる。



あああああああああ！？！？推しと手繋いでっ……ああああ！？

もっ、このこと自体夢なんじゃないかって思ってるのにっ！！




「まずは服装からだねー」

「服装……」




今日は、白いパーカーにスキニーパンツ。

普段は黒めの色のパーカーだけど今日はみかるくんと出掛けるからね！


それに、基本パーカーは大好き。

うちのクローゼットの中はほぼパーカーだし。




「パーカーもいいけど、Aいっつもパーカーしか着てないじゃん」

「そ、それは……」

「せっかく可愛いのにさー。スカートとかさ、どう？着てみない？」




そう言ってみかるくんが持ってきたのは。




「花柄のスカートは、ちょっと」

「そのパーカーに似合うと思うんだけどなあ」




スカートを履くことにさえ抵抗があるんですけどみかるくんっ！


そこにこことぞばかりにやってくる店員。

なぜかみかるくんと意気投合してふたりして服を選んでる。




「白いパーカーに似合うスカートなんですけど、どうですかね」

「ええ、でしたらこちらのスカートは如何でしょう」




私、どうなっちゃうんだー……！？







￣￣
続きますー！

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