【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

いにしへの　奈良の都の　八重桜　けふ九重に　匂ひぬるかな／湯毛／椿　リクエスト ページ38

「A、誕生日おめでとー！」

「わー！もう30後半とか辛いー！！」




いにしへの 奈良の都の 八重桜




ぱぁん、とクラッカーの音が鳴り響く。


30後半にもなって、豪華な誕生日とかちょっと涙が出てくるけど。

それでも、湯毛は毎年盛大に誕生日パーティを開催してくれる。




「去年はショートケーキやったやろ？」

「うん、そうだねえ」

「今年はなんとアップルパイやー！！」




じゃじゃーん！とワンホールのアップルパイを出してくる。

嬉しいけど、さすがにこの量を食べ切る自信は……ないな。うん。




「ほれ、誕生日プレゼント」

「おお、なんだろ……って腕時計だ！」

「キザかもしれんけど、お揃いだったりして」




と、湯毛は腕を見せてくる。湯毛の腕にも、同じ腕時計。

ありがとう、と笑うと照れ隠しなのかめちゃくちゃ頭を撫でてきた。


プレゼントとケーキ紹介が終わったら、お食事タイム。

今日は一日中湯毛と一緒。




「いやほんと湯毛料理うますぎな？」

「そうか？まあお前よりはうまいな」

「え？」




そしてゲーム。




「Aほんとゲーム上達せんな！？毎年マリカービリやん！！」

「うっせえ！！マリカーは専門外じゃボケえ！！」

「お前前見ろ……ってほら落ちたああああ！！」




夜になったら、夜ご飯。

なんとお風呂も洗ってくれて、なんかすごい良い匂いの入浴剤まで。


髪を乾かしてもらって、お酒タイム。

これが私の大好きな大好きな時間。酒はそこまで強くないけど、うまい。




「あ、湯毛今年は泊まってくー？」

「どうしようかなあ、まあどっちでもええけど」




そっか、とビールを喉に流し込む。


湯毛はわざとらしく咳払いをして「あ」と立ち上がる。

まだ何かあるのかな？




「あのさ、俺が告白したときのこと覚えてる？」




と、珍しく頬を赤くしている。

私はわざと「んー？どうだったけ？」と言ってみる。




「Aの誕生日に今はこんなんしか買えへんけどっつって指輪渡したやん」

「んふふ、もちろん覚えてるよー」

「……だからさ」




私の左手を取り、薬指にそっと指輪をはめる。




「今はちゃんとこういうのも買えるようになったで」

「え……！！」

「俺と、結婚していただけませんか？」




けふ九重に 匂ひぬるかな







￣￣
お久しぶりです！お待たせしてしまって申し訳ございませんでしたあああ！！

そして大した内容でもないです。ごめんなさい！


リクエストありがとうございました！！！

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