【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

憂かりける　人を初瀬の　山おろしよ　激しかれとは　祈らぬものを／トシゾー ページ36

一目惚れで、即告白して即承諾をもらって付き合ったトシゾー。

思ってたより、つれない人でした。




「神様、どうかトシゾーが甘々彼氏になりますようにっ」




憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ




と、確かに私はそう願ったけど。




「A〜なんやつれないやん、ぎゅうしてや〜」




こんなに効果出ることある？？？


普段ならボディタッチさえしたがらないトシゾーが？

ハグを求めてきている？？私の肩に顎を乗せながら？？？え？



いや、あの、すみません世の中のトシゾーリスナーさん。

はいもうめちゃくちゃ可愛いです。



可愛いんだけども！突然のことすぎて頭が混乱しているといいますか。

昨日の夜、雲であんまり見えなかった月にお願いしただけなのに。




「こんなことある……？」

「なにがあ？」




甘々……かあ。こういうのを求めていたわけじゃ、ないんだけどなあ……。

普段にちょっとスキンシップをする程度を求めてたんだけどな。はは。




「と、トシゾーさん」

「なんでしょ」




いや顔ちっっっっっっっっか！！！！

え？惚れるぞ？あ？あ、ごめんもう惚れてた。




「と、突然どうしたの？普段そういうこと言わないのに」

「それは、まあ、なんつうの？気の迷い？」

「え、迷ってんの？」




いや、これは何かあるわ。



じとおおっとトシゾーを見つめる。

トシゾーは冷や汗をかいて「んむううう」と低く唸る。


本当にこの顔からこの声が出ているのだと。改めて思う。

顔めちゃくちゃ好青年さわやかイケメンなのに。



トシゾーはぼさぼさの髪をぐしゃぐしゃと掻く。




「……聞いてた」

「は？」

「どうかトシゾーが甘々彼氏になりますようにって。いっとったから」




かあああああっと体が熱くなる。


そう、久しぶりにトシゾーの家に泊まりにきたから……！！

家にもうひとり人がいるっていう感覚がなくてうあああああ！？！




「やってみたけど……甘々とか俺よく知らんし……」

「うん！トシゾーめっちゃ頑張ってた！！」

「いや、ごめんな。その、付き合い方がわかんなくて」




トシゾーは私から離れる。




「Aからの告白やったからさ、どう接していいか……」

「いやもうどしどしバンバン来て頂いてもう！！！」

「……ははっそっか。俺馬鹿やなあ。もっと早くこーしてればよかったわ」




激しかれとは 祈らぬものを









￣￣
初★トシゾー夢小説。

トシゾーかわええのお？ちゅきっ。

秋風に　たなびく雲の　たえ間より　漏れ出づる月の　影のさやけさ／あろまほっと／あずさ　リクエスト→←有馬山　猪名の篠原　風吹けば　いでそよ人を　忘れやはする／つわはす

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