【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

忘れじの　行く末までは　かたければ　今日を限りの　命ともがな／ヒラノ課長／みみみ　リクエスト ページ4

「Aのことはいつまでも忘れないよ」




そんなの私だってそうだけど、先のことはわからない。

だから私は、今日限りで死んでもいいな。




忘れじの 行く末までは かたければ




「Aは？俺のことずっと忘れない？」

「どうかな」




先ほどのかっこいいヒラノがかわいいヒラノになる。

頬をぷくっと膨らませて、ひどいなーと呟く。




「俺は死ぬまで忘れないのになー」

「ふーん？ま、どうせヒラノの方が私より早く死ぬけどね」

「ええ！？なんで！？」

「煙草とアルコール」




私はそう言ってヒラノからビールの缶を奪う。

あと半分くらい入っている。私はそれを一気に飲み干した。


ヒラノは残念そうに「あああー！」と叫ぶ。



私は中身のないビールの缶をヒラノに返す。

ヒラノはそれを渋々受け取り、ぐしゃっと潰した。




「でも、そうか。うーん、ちょっとくらい控えようかなー」

「それ前も聞いた」

「あれ？そうやっけ」




冷たい風が吹く。

ヒラノの長い髪が揺れて、シャンプーの香りがした。




「ま、とにかく俺はAが好きってことよ」

「あっそ」

「あっそって！！Aは好きって言ってくんないの？」




にやにやと笑うヒラノの背中をばしっと叩く。

ヒラノはゲラゲラ笑って私の頭に手を置く。




「ほーんとかわいいわー」

「はあ！？意味わかんないんですけど！触るなっ！」

「もー、ほんま好きやわ」




綺麗な夜空の下。

マンションの一室のベランダで、私とヒラノはふたりきり。


他愛のない会話をして、お酒を飲んで眠りにつく。

もうこれ以上望むことはなにもないんだけどさ。




「ずっと一緒にいたいんだけどさ」




やっぱりこれ以上を求めてしまうんだよ。

ずっと、これが続いて欲しいんだよ。




「でもこの先は何があるかわかんないから」

「うん」

「私はもう、今日この幸せのまま死んでいいかな」




そう言うとヒラノはふっと微笑む。




「まーたツンデレして。普通に好きって言えばいいのに」

「はあ！？うっっざ！！うっっっっさい！！もう寝る！！」

「はいはい、ちゃんと歯磨きしなさいよ」

「ヒラノも寝るの！！！」

「くくっ、わかりましたよー」




今日を限りの 命ともがな









￣￣
永遠にリクエストしてくださいね、待ってますよ！

ていうか冷静に考えると短編集とはいえ三つも掛け持ちしてるのやばい？


リクエストありがとうございます！！！

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