【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか／湯毛／杏飴　リクエスト ページ18

わかりやすい人っているじゃん。

しかもそういう人って大体不器用なんよな。




恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり




はいどうも、トシゾーです。

絶賛湯毛さんとデート(笑)中だったんですけども。




「あ、えっとトシゾーと湯毛ぽ？」

「Aやん、久しぶりー」




Aと遭遇しました。Aとは結構仲良しなんよなー。

確か湯毛さんもAと知り合いやったはずやけど……。




「……はっ！？」




え、待って？ちょっと待って？


湯毛さんめっっちゃ顔赤いんやけど？

さっきまで普通やったやん。え、こんな急に熱出す？え？




「ゆ、湯毛さん？」

「あ、いやっ……A、久しぶり」

「お、お久しぶりです」




あ、待ってすっごい嫌な予感するんですけど。

もしかして湯毛さんAのこと好きなん？



……いやっ。ないないないないない。

Aは顔悪くないから、びっくりして真っ赤になっただけやって。




「あ、えっと、湯毛ぽ、元気だった……？」

「げ、元気やった、よ？」




なんでAまで顔赤いん？




「おい湯毛さんちょっとこい」

「え、なんなんですか」




俺はぐいっと湯毛さんを引っ張る。

Aに声が聞こえないところまで行き、そっと耳元で言う。




「好きなん？Aのこと」

「ああっ！？」

「あ、好きなんや……」




オッケーオッケーと湯毛さんを元に戻す。

そして次はAを呼ぶ。




「Aさあ、湯毛さん好きなん？」

「んんっ！ちょ、トシゾーなに言ってんの！？」

「いや好きなんやん」




はあ、なるほどね。あいつら両思いのくせに手ぇ出せてないんや。

ほおん、なるほどねえ。はいはい、理解理解。把握したわ。



そう、俺がここでとるべき行動はひとつ。



湯毛さんとAの肩にぽんと手を置く。

ふたりは顔を赤くしたまま俺を見る。




「……ファイト！」

「トシゾーさん！！！？待って！！！？」

「トシゾー！！お願い待って！！！ジョジョ見るから！！！」




頑張れよ、遅めの青春！！！！





次の日、ふたりが手を繋いで歩いていたのは言うまでもない。




人知れずこそ 思ひそめしか




おまけ


「なんでトシゾーさんは気付いてたんやろ、Aのこと好きって」

「あ、たしかに。なんでだろー」

(お前らがわかりすぎるだけなんやけどなあ)








￣￣
こういう第三者目線ってよくない？

全然きゅんきゅんはしなかったですけど……ごめんなさい。


リクエストありがとうございます！！！！

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