【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

筑波嶺の　峰より落つる　男女川　恋ぞ積もりて　淵となりぬる／湯毛／椿　リクエスト ページ16

Aから俺が離れることがあってはいけないのなら。

俺からAが離れることもあってはいけないと思う。




筑波嶺の 峰より落つる 男女川




Aは、ふわふわとしている。

比喩とかそういうんじゃなく、実際にふわふわしているのだ。



よくぼーっとしてるし。口調もふわあっとしてるし。

蝶のように、どこへでも行ってしまうし。



だから俺がよく見ていないといけない。

どこかへ飛んでいってしまうから。




「湯毛ぽって全然彼女できないよねえ」

「あ、それな！それ俺も思ったわ〜」




せらみかるとフルコンが言う。




「そうかあ？そんなん言うたらせらみかるもやろ？」




俺が言い返すとふたりは首を横に振る。




「ダメやって！湯毛ぽは早よ結婚せなあかん！」

「はあ？」

「僕もそう思う。じゃないとさあ」




“その性格治らないでしょ”




「A」

「あっ、湯毛ぽ！」




チャイムを鳴らすとお洒落な格好をしたAが出てきた。

白いワンピースを着ている。




「……洒落てんな」

「うんっ。これから友達とお出かけするの」

「お出かけ？」




Aは外に出てきて、くるんっと一回転する。

ふわりと花の良い香り。



ああ、またAは俺から離れていく。




「かわいいでしょー？」

「うん、かわええな」




まるで蝶のように、たくさんの花に移り変わっていく。




「でもさ」




そんなん、許せない。




俺はAを守る。昔からそう心に決めていた。



俺は騎士じゃない。



だから守られる側も、俺の側にいなきゃいけない。




「わざわざ友達と遊びに行く必要なんかないやろ」

「えっ……どおして？」

「Aは俺より友達を優先するのか？」




せらみかるは言った。


「湯毛ぽの都合でAちゃんを束縛するのはかわいそうだよ」




フルコンは言った。


「湯毛ぽも結婚すれば束縛することもなくなるんやけどな」




そんなの、おかしいやろ？



俺はAを守るんだから。

俺の側にいるのはAじゃなきゃいけないのに。


Aが俺から離れていこうとするのが悪い。




「Aは、俺に従ってればええよ」




恋ぞ積もりて 淵となりぬる








￣￣
ンンンンンンエセ関西弁ンンンンンン

こういう束縛系は結構すきです。うまくかけてるかは別として。


リクエストありがとうございます！！！！

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