【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

ありま山　ゐなの笹原　風吹けば　いでそよ人を　忘れやはする／あろまほっと／あずさ　リクエスト ページ13

文化祭特有の女子が可愛く見えちゃうそれ。

高校生活最後の文化祭の準備中。



残念ながら、可愛く見える女子はいなかった。




ありま山 ゐなの笹原 風吹けば




「はあ……俺の高校生活終わったわ」

「準備中に女子が可愛く見えるとか都市伝説だから」




文化祭当日。

彼女のいない俺は友人のえおえおと共に過ごしている。



学校の中は折り紙やら何やらで飾り付けされていて。

メイド服を着た女子や看板を持つ男子が客引きをしている。




「結局三年間えおえおと文化祭一緒に回るとはな」

「いいじゃん。なんだかんだ楽しんでるんだし」

「いや楽しいけど。えおえおはそれでいいのかよ〜？」

「ん、まあ俺はね。こっちのが楽だし」




えおえおはすまし顔で言う。

いやそういうこと言われたら何も言えないじゃん。




「……あ、今体育館でライブしてるっぽいよ」




小さなパンフレットを握りしめて鼻息を荒くするえおえお。

一番楽しんでるのえおえおなんだよな……まあいいけど。


大体こいつは顔がいいから、心配しなくてもモテるわけで。

俺はこういう場でしか出会いがねえんだよお！！！




とか思いながら体育館。

体育館に並べられているパイプ椅子は半分くらい埋まっている。




「結構混んでるんだな……」

「ほんとだね。あ、あろま、あそこ。前空いてる」




運良く空いていた前の席に座り、ライブ開始を待つ。




「それでは、二年女子によるライブが始まりますー……」




司会が言うと、騒がしかった体育館が一気に静まり返る。


ふっと、体育館の電気が消える。

ゆっくりと開くステージのカーテン。




「よろしくお願いしまあす！！！！！」




響き渡るギターの音。綺麗な歌声。

プロ顔負けの、本格的なライブ。でも、俺は。



ギターでもなく、ボーカルでもなく。

後ろの方で楽しそうに太鼓を叩く、ドラムの子に目が入って。


なんでかはわからない。でも、すごくキラキラして見えた。

頭を振る度に揺れる前髪。なんとなく良い香りがするようで。



ふと、目が合う。

その子は俺を見て、にこっと笑った。




(……あ)




準備中に女子が可愛く見える？そんなの知らねえ。

俺は、ドラムの子に一目惚れした。



……その子がえおえおの妹だとは気付かずに。




いでそよ人を 忘れやはする






￣￣
いい具合にできなかったです……すみません！！

更新遅いですね……許してください。


リクエストありがとうございます！！！

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