【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

みかきもり　衛士のたく火の　夜はもえ　昼は消えつつ　物をこそ思へ／牛沢&towaco／ゆーれんか　リクエスト ページ12

これは、牛沢くんが結婚する少し前の話。

牛沢くんの奥さん、怒らないで聞いてくださいね。




みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ




「だからさあ、俺にA譲ってよお」

「いやですって……」




べろんべろんに酔いながらとわこの腕に抱きつく牛沢くん。

この状態だと牛沢くんがとわこを好きみたいだけど……？



今日、たまたま休みだったからとわこの家に泊まりに来た。

それをとわこが牛沢くんに伝えたところ、俺も行くわってなって。

じゃあ夜ご飯食べていけば〜なんて私が言ってみたら。




「だあかあらあ俺ならAを幸せにできんのお」

「幸せもクソも俺がAの彼氏なんですけど」




と、まあこんな感じになりました。



牛沢くん顔真っ赤だなあ。まあ酔ってるんだろうけどさ。

じゃなきゃこんなこと言わないもんね。


だって私にとわこを紹介したのは牛沢くん本人だから。




「はあ……酔ってんなら帰ってくれませんかねえ」

「やだっ！そしたらお前Aとえっちするじゃん？」

「彼氏の特権やないですか」




そこは否定しないのね。


牛沢くんはやっぱりい、とビールを飲んで空になった缶を潰す。

とわこは面倒くさそうにため息をつく。




「でーもさあAは俺がいいよねえ？」

「えっ、私！？」

「おい、牛くんAに抱きつかんといてくださいね」

「そんくらいわかってるっつーの」




牛沢くんはしっしととわこをハエのように払う。

とわこ、顔やばいよ。




「で」




牛沢くんはじっと私を見てくる。

こんな真剣に見られると冗談だとしても緊張しちゃうんだけどなあ。


私は頬を赤くして視線を逸らす。

その度とわこは私、というか牛沢くんを睨む。




「Aは俺に貰われてくんないの？」




低い声で言われたら、私だって気持ちが揺らぐ。

でも。




「嬉しいけど、ごめんね。私とわこのものだから」




そう言うと牛沢くんはふっと笑った。




「ふーん、残念だな」

「当たり前やろ。うちの彼女やからな」




牛沢くんは悲しそうに笑って、帰っていった。




「……ほんまに諦めたんかな」

「え？」




少しして牛沢くんは結婚した。


もし、あそこで私が牛沢くんのものになっていたら。

牛沢くんは結婚しなかったのかな、なんて。




昼は消えつつ 物をこそ思へ









￣￣
取り合いでは……ないな？？

でもなんか気に入ってるから許してくださいすきです。


リクエストありがとうございます！！

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