４話 ページ4
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ここで拒否されると思っていなかったのだろう。一瞬、心底驚いたような顔をすると、次の瞬間深い溜息をついた。
それに過剰に反応した私は、由良を守るようにしてぎゅっと抱きしめた。
「はあ、往生際が悪い子は嫌いだぞ？」
『べッつに、せんせーに好かれたくないんで、！』
「そうか…それじゃあ、無理矢理にでも記憶を消すしかないな」
ギラッ、と薄暗闇の中、彼の瞳だけが光る。
ーーーーーヤバい。本能が脳に警告している。逃げなければ本気でヤバいと。
『っ！』
だっ、と由良を持ち上げ一気に駆け出す。意識がない人間は思ったよりも重いが、日頃から走っている私には特に苦にならない。
けれど、それもこの人の前では赤子の抵抗の様に虚しく終わる。
『あっ、！』
「本当に逃げれるとおもっているのか？」
もう少しでドアに届く、という所でガシッと腕を締め付けられる。私とは違い、大人の男の手に抵抗が緩む。
『せ、んせぃッ……手、いたいですよっ！』
「痛くしているからな。なァに、少しの辛抱だ。直ぐ、楽に……いや、その前に血を少し貰うか」
血、という単語にびくりと肩が跳ねた。
血を、貰う？さっきも、気が動転してあまり気にしないでいたが血を吸ったとか。
まるで、その言葉は人外じゃないか。
どこから来るのかわからない恐怖で手と足が震える。それを力で押さえつけられ、本当に逃げられなくされる。
「大丈夫だ……少しだけ、だからな」
彼はそう笑うと慣れた手つきでボタンを外してき、私の首元が露わになる。
かああ、と羞恥心で顔が赤くなるのがわかった。
「それじゃあ
ーーーーーいただこう」
はぁ、と熱い吐息が首元にかかる。それが擽ったくて身動いだ瞬間、肉を切り裂く痛みが脳天にまで走った。
『い " ぃ" " ッ！！！！』
「！ よ、もや……これ、程とはッ」
痛い、いたいいたい！今まで感じたことの無い痛みに体が悲鳴を上げている。ぽろぽろと涙をこぼしながらやめて、と叫ぶが彼には届いていない。
「これほどッ…！ 濃厚な血液は、はじめてだッ」
更にじゅるり、と音を立てながら彼は私の血液を吸う。先生が何か言っているが、目の前が霞んで意識が朦朧としている私には聞こえない。
嗚呼、待って、ここで意識が途切れたら、私は。そんな願いも悲しく、私の意識は暗闇の中へ落ちていった。
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アオ猫又(プロフ) - 獪岳が好きなんでこの作品がめっちゃ好きです！ありがとう、作者様…。 (2022年1月1日 21時) (
レス) @page33 id: 6f2bf6bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - いつも楽しみにして見させてもらってます！失礼ですが、42話のしのぶさんの台詞の「あっ、そろそろ〇〇さんの番ですね。....」の番が版になっていました。詳しく書けたか分かりませんが、大丈夫でしたでしょうか？あと、更新頑張ってください！応援してます！ (2020年11月22日 21時) (レス) id: 1ef7d533ea (このIDを非表示/違反報告)
るる - 予告とかの文才がありすぎてヤバいです(←文才力0の人) 更新頑張ってください！ (2020年4月17日 12時) (レス) id: 9d2e256c74 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - みっくす14。さん» コメントありがとうございます。誤字指摘有り難いです......！おこがましいかもしれませんが詳しいページを教えてくださると助かります！(無能で申し訳ないです)。 (2020年1月4日 22時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす14。 - いつも見させてもらってます！！でもちょーっと直してもらいたいところがあるんですよね。沢山誤字っております。(..)出会いの方ですかね？ (2020年1月4日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐の中の棒人間
| 作成日時：2019年12月26日 22時
