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歌仙と細川 ページ42

『無礼者!』

歌仙「はぁ…。」

僕の主は気が短い。今も部下が気にくわない
返答をしただけで斬ってしまった。
全くもって雅じゃないな。

『何事ですか。』

凛とした声がかけられた。
見目麗しい主の正室。主はその女人を見るや否や
僕を鞘に収めた。

『また罪なき者を殺めたのですか。』

『お前には関係ない。』

冷めた会話。正室の女人は無表情のまま。
いつもの事ながら聞いている此方の胃が痛む。

『茶を飲む。付き合え。』

険しい表情で言う。女人も何も言わずに
ついていく。
なんとも不思議な夫婦関係だ。

備前「かせーん!」

重苦しい空気を変える声が聞こえる。
声の主は明るい笑顔を浮かべ走ってきた。

歌仙「どうしたんだい?」

備前「血の匂いがして…また斬っちゃったの?」

備前は僕の足元に転がる亡骸に視線を移した。
土は速度をおとして紅く染まる。

歌仙「部下でさえこのざまさ。
君の主は大丈夫かい?」

備前「たまの事?たまなら大丈夫だよ。」

そう言うと備前は亡骸の傍らにしゃがみ
手を合わせる。
暫くそうすると立ち上がり歌仙に笑いかけた。

備前「明智一族の一人だから。」

歌仙「…まぁ、あんなに溺愛せれてるんだから
そんな心配は無用か。」

二人が去った後を見つめていた歌仙は
違和感を感じギョッとした。

歌仙「近景!?何を、」

備前「ん?歌仙の右手汚れてるから…。」

歌仙「い、いい!自分で拭けるから!」

右手を備前から離すと懐から手拭いを出した。

歌仙「血のついたものに軽々しく触るんじゃない。汚れてしまうだろ。」

備前「でも私、刀だし平気だよ?」

歌仙「っっ…そうだけど……君はもっと自分が
女性だと言うことを自覚した方がいい。」

備前「またその話〜?」

備前はやれやれと肩をすかすと駆け出した。
歌仙は慌てて呼び止める。

歌仙「どこ行くんだ。」

備前「分かんなーい。」

歌仙「なんだいそれ…ってこら!その格好で
走るんじゃない!」

着物を翻して走る近景。
なんて無邪気で自由なんだろうか。
全くもって雅じゃない。

備前「あはは!歌仙が怒ったー。」

雅じゃないが、愛らしい。
もしも持ち主同士の関係がそのまま写される
のならば僕たちも……。

歌仙「夫婦刀になるのだろうか。」

備前「歌仙ー?」

歌仙「…なんてね。」

どうやら君の口癖が移ってしまったようだ。

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ロト(プロフ) - たぬきねこさん» ありがとうございます!ダラダラとですが更新頑張っていきます! (2018年3月10日 16時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
たぬきねこ - グルメ番組かよで不覚にも笑った頑張って下さい! (2018年3月10日 16時) (レス) id: a2c5151ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - ニガウリさん» ありがとうございます!ゆるゆる更新頑張っていきたいと思います。 (2018年2月11日 10時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
ニガウリ(プロフ) - 私も、明智さん好きだから、この作品大好きです!!更新頑張って下さい(*ゝω・*)ノ (2018年2月11日 10時) (レス) id: da81750a6d (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - 黒狐コハクさん» 読んで下さっただけでなくコメントまで…ありがとうございます! (2018年1月9日 19時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロト | 作成日時:2017年12月25日 13時

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