織田さん ページ5
不動「離せよ 宗三。」
シンとした廊下に不動の声が響いた。
不動「なんで止めたんだよ。あいつは俺の…
俺達の信長公を殺した奴だぞ!」
宗三「落ち着きなさい不動。持ち主だっただけ
で彼女は関係ないでしょう。」
不動「だからこそ!俺達が仇を打つんだろ!」
薬研「打ってどうすんだよ。」
宗三「薬研。」
奥から薬研が現れ不動を真っ直ぐにみつめる。
不動は興奮した口調で答えた。
不動「どうするって…主の仇を打つだけだろ。」
薬研「俺はその後どうすんだって聞いてんだ。
仇を打ってどうなる?主が悲しむだけだろ。」
宗三「そうですよ。僕達には現在の主がいる。
過去ばかり気にしてはいられないのです。」
不動「なんだよ…二人は信長公のことなんて
もうどうでもいいって思ってんのかよ。」
薬研「そういう訳じゃ」
不動「もういい!そんなら俺だけでも
仇は打ってやるからな!!!」
薬研「おい!不動!!」
走りだす不動のあとを薬研が追いかけようと
するが止められる。
薬研「長谷部。」
長谷部「放っておけ。」
宗三「でも…。」
長谷部「追いかけても焼け石に水だろう。
一晩寝れば冷静になっている筈だ。」
宗三「そうですね…また明日様子をみましょう。」
暫く暗い廊下の奥をみつめていたが
各々、自室に戻ることにした。
三人共 宴会に戻る気分にはなれなかった。
不動「ハァハァ。なんだよ皆して。」
全速力で走って自室に戻った不動は
襖にもたれ掛かり天井を仰いだ。
不動「…何年ぶりかな。」
まだ荒い息が響く部屋で遠い日の記憶を辿る。
(そう、あれは信長公が明智に初めて
会った日のこと。)
信長公の懐にいた俺もその場にいた。
あいつは明智の側で顔をふせたまま。
明智が信長公の許しを得て顔を上げる時
一緒に顔を上げた。
時が止まったのかと思った。
不動「なんで会っちゃうんだよ!!」
(もうゴチャゴチャで分かんねぇよ!)
ヒュッと声が漏れる。
大好きな信長公を殺した憎い復讐の相手。
そして、
俺の初恋の人。
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ロト(プロフ) - たぬきねこさん» ありがとうございます!ダラダラとですが更新頑張っていきます! (2018年3月10日 16時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
たぬきねこ - グルメ番組かよで不覚にも笑った頑張って下さい! (2018年3月10日 16時) (レス) id: a2c5151ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - ニガウリさん» ありがとうございます!ゆるゆる更新頑張っていきたいと思います。 (2018年2月11日 10時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
ニガウリ(プロフ) - 私も、明智さん好きだから、この作品大好きです!!更新頑張って下さい(*ゝω・*)ノ (2018年2月11日 10時) (レス) id: da81750a6d (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - 黒狐コハクさん» 読んで下さっただけでなくコメントまで…ありがとうございます! (2018年1月9日 19時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロト | 作成日時:2017年12月25日 13時