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────────ガチャリ
そんな重たい音を立てて開いたドアを開けて中に入る。
中にはモニターを見ていた先生が、こっちを見た。
『……せんせ、』
柊「Aか…どうした」
『今日で終わるんだね』
今日、武智がベルムズに依頼した犯人だって捕まってそれで終わり。
あぁ、やっと終わったね。って先生を見るけど、やっぱり私のモヤモヤは晴れなかった。
『今日終わったらちゃんと病院入院してくれるんでしょ?約束、守ってよ?』
柊「……そう、だな」
歯切れが悪い先生にもっとモヤモヤする。
『……ねぇ、本当に今日で終わりなんでしょ?』
柊「なんでそんなに疑うんだよ」
『だって先生がこんなに簡単に終わらせるなんて思えなくて』
柊「そうか」
黙ってしまう先生に会話が成り立たないじゃない。ってため息をつく。
『……もう!なんなの?』
柊「何がだ」
『なんで今日で終わるって言うのにこんなにモヤモヤしてるの?意味がわかんないの!!』
昨日全然寝れなかったし。って言えば笑った先生。
柊「なんだお前、寂しいのか?」
『違うよ。そんなんじゃない。……そんなんじゃ、ないけど、なんか……武智が捕まって終わりだなんてそんな浅はかな考えでいいのかなぁって』
そう言うと先生は立ち上がって机に両手をつく。
柊「そうっ、……だな、」
よく見ると先生はダラダラと脂汗をたくさんかいていて、苦痛に歪んだ顔をして苦しんでいた。
『せっ、先生?!』
薬飲んだの?!って叫べばうんって頷くから、きっと薬が効かなくなってきてるんだって悟る。
『先生、早くここ出て、病院行こう?ね?』
そのためには早く終わらせないと。早く、8時になれ。そう、強く思った時だった。
先生にガっ、と肩を掴まれて目と目が合う。
『な、に…?』
柊「A、お前は、」
─────────────幸せになってくれ
その言葉に、頭が真っ白になって手が痺れて、足が震えて、ただ涙が零れてしまった。
なんで泣くの?なんて聞かれたら答えられる自身は微塵もないけど、ただ先生のその言葉が胸の中の何かを突き破ったんだ。
『せ、んせぃ、も、だよ…?』
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赤くん(プロフ) - いくらこの状況だからっていっても、まじで兵頭くんが余計なこと言い過ぎてて…笑 (2019年3月2日 23時) (レス) id: b9d43c7122 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ラベンさんが書く3Aが1番好きです!3年後の甲斐くんと主人公ちゃんには可愛い子供が居てくれたら嬉しいですこれからも応援してます! (2019年2月26日 22時) (レス) id: 5d52b8fc88 (このIDを非表示/違反報告)
千紘 - 涼太君大好きです!毎日読んでます!番外編で、甲斐がイツメンに恋バナを聞かれてる話が読んで見たいです(*'▽'*) (2019年2月22日 16時) (レス) id: 6413ac4450 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高です甲斐隼人君大好き (2019年2月22日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
麗禾(プロフ) - 4幕おめでとうございます! (2019年2月21日 23時) (レス) id: a8354b0d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2019年2月21日 23時