3年A組の、闇へようこそ 4幕

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( 甲斐 side )



Aが寝てからも憶測は飛び交い、先生に賛同する者で溢れた。

だけども───────




瀬尾｢ちょっと待てよ！今まで先生が言ってたことは全部憶測だろ！｣




っていう、瀬尾の大声に寝てたAの肩がビクリと上がった。




甲斐｢A？｣

『びっ、くりしたぁ……瀬尾？』




なにー？って目を擦るからその手を止める。




甲斐｢赤くなんだろ……なんか、｣




さっきまでの流れを説明し、景山のフェイク動画の件を言えばふーんって軽い返事が返ってきた。




瀬尾｢武智がやったって証拠はあんのかよ？｣

柊｢……逮捕に繋がるようなものはない｣

瀬尾｢やっぱそうか｣




Aは眠そうな目で一番前の席の瀬尾の後ろ姿を見る。




瀬尾｢あんたは、決定的な証拠がないから学校に立て篭って騒ぎを大きくした。違うか？｣

諏訪｢なに？どういうこと？｣

瀬尾｢印象操作だよ。これだけ大きな声で武智が犯人だって言えば皆がこぞって粗を探し出す。ましてやテレビにも出る有名人だ。フェイク動画の証拠が出てこなくても、社会的制裁は十分に受ける。

これで武智じゃなかったらどうすんだよ？｣




確かに…って頷けば水越が声を上げた。




水越｢でもぶっきーは確証がなきゃあんなこと言わないよ？｣

瀬尾｢でも証拠がねぇだろ！！だったら分かんねえじゃねぇか！！｣

魚住｢私も…武智先生がそんなことするような人だとは思えない｣




瀬尾の言葉に魚住が控え目な声で反発する。

多分、みんなが思ってることを石倉が前のめりになりながら聞いた。




石倉｢あのさぁらお前ら何でそんな武智の肩持つわけ？｣

熊沢｢瀬尾くんと華は、武智先生の推薦で豪翔大学のスポーツ推薦が決まってるからじゃない…？｣

真壁｢武智が問題を起こせば、推薦はなくなるってことか｣




なるほど。って呟いたAは目線を先生にむける。




『先生…？』




Aの呟いた声で同じく前を向けば先生は顔を少し歪めていた。




柊｢っ、……いいだろう。だったら瀬尾、自分の手で武智先生の身の潔白を証明してみろ｣




震える手で自分のパソコンを開いて瀬尾の机に置いた。




柊｢この動画に映ってる人物が武智先生じゃなければ犯人じゃないという可能性が高くなる。解析してみろ。｣




そう言って早々に出て行った先生にAが立ち上がる。




甲斐｢おい、どこ行くんだよ｣





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