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振り返れば隼人が真剣な目をして私の目を見つめる。
『隼人、』
離して。って言おうとしたのに口に人差し指を当てられて喋れなくなる。
首を振り、行くなとでも言うように強く手首を握られる。
柊“この映像を見てるみんなが、証人です。”
あぁ、もしかして。って頭の中で仮説が立てられる。
柊“ライブ終了”
頭が真っ白になって声が出なくなる。
そんな私を知る由もなく先生は喋り続ける。
ねぇ、なんで?
柊“さぁ、もう言い逃れは出来ませんよ?”
──────────どうして裏切ったの。
柊“約束通り、あなたの大切なものを頂きました。名声と権威。それが、あなたにとって何よりも大切なものだった。これで、──────全てを、失った。”
武智“な、んだ…?この茶番は、俺はただ、見込みのありそうなやつに“オイシイ”環境を与えてやっただけじゃないかっ!それの何が悪い?!?!”
酷いなこいつ、とか思ったけど今の私の頭の中はそんなこと、どうでもよかった。
武智“出来なければ消される、そんなの当たり前だろ?!こっちとしてはダメなら、別のものを差し出せばいいだけだ!!!生徒がどうなろうと自己責任だ、俺には関係ない!!!!
結果が出ずにやめた奴のことなんか知るか!!!!勝ち続けなきゃ次がない、それがこの世の中だほう?!?!”
───────────商品価値のないやつに用はないんだよ!!!!!!
その言葉が、グサリと心に刺さった。
私に価値が無いから、先生は私を切ったの?
柊“生徒はものじゃないっ!!!!!!!人間だ!!!!!!”
だけど私のその仮説は、先生の言葉によって掻き消された。
先生は武智の胸ぐらを掴みあげて激しく揺さぶる。
柊“俺達が導いてやらなきゃならない、脆くて弱い、未完成な人間なんだよ!!!3歩先しか見えてない彼らに長いレールを敷いてやる!!!
未来を信じて、行く手を案じて、どの道を進めば彼らにとって最善なのかを考える。
寄り添って、寄り添って!!!!一緒に答えを探すんだ!!!!!”
ポロリと涙が零れて顎を滴り床へ落ちる。
いつの間にか隼人の手は手首を離れ指先が絡まっている。
優しく握られるその手に安心する。
柊“それが!!!!教師の務めだろう!!!!”
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赤くん(プロフ) - いくらこの状況だからっていっても、まじで兵頭くんが余計なこと言い過ぎてて…笑 (2019年3月2日 23時) (レス) id: b9d43c7122 (このIDを非表示/違反報告)
もも - ラベンさんが書く3Aが1番好きです!3年後の甲斐くんと主人公ちゃんには可愛い子供が居てくれたら嬉しいですこれからも応援してます! (2019年2月26日 22時) (レス) id: 5d52b8fc88 (このIDを非表示/違反報告)
千紘 - 涼太君大好きです!毎日読んでます!番外編で、甲斐がイツメンに恋バナを聞かれてる話が読んで見たいです(*'▽'*) (2019年2月22日 16時) (レス) id: 6413ac4450 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高です甲斐隼人君大好き (2019年2月22日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
麗禾(プロフ) - 4幕おめでとうございます! (2019年2月21日 23時) (レス) id: a8354b0d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2019年2月21日 23時