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いらっしゃいませ、と微笑んだ女性は黒髪をウェーブ巻きにした人の良さそうな方だった。目の前に並べられた煌めきについ目移りしてしまう。

スメールシティに行くことができたら一つ買いたいものがあって、それがキャンディスの装飾品なのであった。キャンディスはよくアアル村に訪れる客商から装飾品を買うのだが、シティにしかない模様や品物もあるだろう。



「これとかどうでしょうか?」

「ああ、似合っている」

「あ、私じゃなくて…キャンディスへの贈り物にと」



そうかキャンディスだったか、と少々俯くセノさんに、似合っていると褒めてくれたことに反応するべきだったかと思いつつ、店員のお姉さんに「これください」と差し出そうとした時。

セノさんに待ったを掛けられ、とある首飾りを見せられた。銀メッキのチェーンに、桃色の石がはめ込まれた代物である。



「可愛いですね…。キャンディスはこういった色合いのものは持っていなかったと思うのでとってもいいと思います!」

「お前は好きか?」

「えっと…はい。桃色は可愛くて好きなので」

「分かった」



納得したように頷いたセノさんは、私が選んだ耳飾りと共にそれを購入した。

これではなんだか私からキャンディスへではなく、セノさんからキャンディスへの贈り物になってしまったようで「いつかお金はお返しします」と何とか約束を取り付けた。


それから入口の方へと戻り、道を外れたところで「髪を少し上げてくれないか」と言われた。セノさんの要求通り髪全体を持ち上げると、少しの間の後冷たい感触が首を襲う。



「…ひゃ、……っ?」



目の前でセノさんの手が交差して、首元で何かがキラリと光る。



「これ…」

「プレゼントだ」

「え!?そんな、受け取れません」

「今日のお礼ということにしてくれ」



鎖骨の辺りで名も知らない愛らしい色をする石を携えたのだった。アアル村まで送る、と話すセノさんに精一杯付いていく。



「私、セノさんにお礼をされるほどのことなんてしていませんよ」

「お前のおかげで久しぶりにスメールシティをゆっくり観光できた。それだけでは理由にならないか?」



ならない、なんて言えたものではない。熱を帯びた耳のあたりを悟られないように、と彼の一歩後ろを歩くのだった。



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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。!ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした!!お疲れ様です! (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます!元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……!自分らしく執筆を頑張りますね! (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです!話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい!応援してます!! (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲原 | 作成日時:2023年1月19日 12時

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